APACから日本への期待と日本のチャンス
量子人材の育成に注力するシンガポール他APAC諸国ですが、それらの国よりも日本の方が豊富な量子関連のプレーヤーがいます。それは、量子技術を使って既存のビジネスをバリューアップしたり新事業を開拓したりする、ユーザーサイドの企業群です。
日本には、自動車をはじめとする製造業だけでなく、素材、鉄鋼、創薬の他、物流や建設の分野でも世界に伍する企業群が存在します。発展途上にある量子技術は、そのアプリケーション、つまり「用途開発」が今後の発展のドライバーとなります。今回ご紹介したように、シンガポール政府も早期よりここに注力しています。「量子技術の提供」を売りにするスタートアップは、今後世界各国で増加の一途をたどるでしょう。しかし、その技術を使ってビジネスを高度化させるユーザーサイドの厚み、プレーヤーの数は、今日までに培われたその国の産業の歴史そのものです。