最適な人員配置を行うためのデータ収集4ステップ
データ活用による最適な人員配置を行うためには、人事労務業務のDXを行うことでデータを一元管理できるようにする必要がある。それはどんなステップで何に注意をしながらデータ収集を行えばいいのだろうか。里井氏は4ステップで行うとよいと話す。
ステップの1つ目は、人員配置に必要な従業員のデータの中で重要度が特に高いのは何かを整理することだ。これは見落とされがちだが非常に重要なポイントである。データ活用による人員配置によって何を成し遂げたいかに影響するためだ。
ステップの2つ目は、できる部分からDXを始めることだ。人事労務業務の中で、ステップ1で整理した重要なデータを収集でき、かつ実現可能性が高い部分から取り組みを始めることが重要だ。一度に全部のデータを収集しようとすると、時間コスト労力がかかりすぎて挫折しがちだからである。
ステップの3つ目は、配置に必要な従業員データを最新かつ正しい状態で効率的に収集し、一元管理する。データを集めるのに手間がかからず、常に最新の人事データに更新されるような、適切なDXツールを選ぶことが望ましい。
ステップの4つ目が、収集したデータを人員配置に活用することだ。すべてのデータが揃ってからではなく、小さくスタートすることが推奨される。なぜなら、低コストで始められて失敗しにくく、データを活用した人員配置という運用に慣れることもできるというメリットがあるからだ。導入したツールに慣れる中で、運用を見直し、ブラッシュアップができるし、データがどんどん溜まっていけば、高品質な意思決定、配置決定ができるようになる。
この4つのステップの中で特に重要なのがステップ1だと里井氏は話す。人事労務業務のDXを支援するときに、人員配置で何を成し遂げたくて、どういったデータを重要視しているかを聞くと悩んでしまう企業が多いという。しかし、それがなければ方針が定まらない。
「重要度を整理した上で、できることから小さく始めるのが、データを人員配置に活用する上でのポイントです」と里井氏は説明する。