企業の利益に直結するBSMとは
──欧米では既に企業規模を問わず、多くの企業がBSMプラットフォームを導入していると聞きます。なぜそれが注目されているのでしょうか。
Fang Chang氏(以下、Chang):かつて企業は調達や支払い、請求処理に個別のアプリケーションを導入してきました。しかし、たとえば発注と請求に別システムを使っていると、情報を連携させるために多くの手動処理やシステム間を連携させるための開発・運用・維持コストなどが必要になります。手作業においては内容を転記し間違える恐れもあります。請求や支払いを確認する経理担当者が持つ情報が、必ずしも納入されたものと同じではないことも考えられます。様々な面で不具合が起こってしまっていたのです。個別のシステムで対応するしかなかったので仕方のない面もありますが、本来一体となって行われるべきものです。私たちはそこに、包括的なクラウド型BSMプラットフォームという競争力ある提案をしています。
小関貴志氏(以下、小関):かつては右肩上がりで人口が年々増え、いいものを作れば売れる時代もありましたが、今は売上を伸ばすのはそう簡単なことではありません。たとえば利益率10%の企業で1億円の利益を増やすためには、売上を10億円増やす必要があります。それはなかなか大変なことですよね。一方、支出の削減で利益を1億円増やそうとすると、1億円削減するだけで済みます。
では、実際企業にそれだけの利益を生み出すだけの削減余地があるのでしょうか。支出のうち、間接費は企業の総支出の約10~15%を占めるといわれているのですが、私たちの調査では、「間接材について購買を管理できているとはいえない」と回答する企業が6割を超えています。多種多様な品目があって管理しきれなかったり、仕様や価格が統一されていなかったり、関連部門が多かったりと、様々な要因がありますが、コスト効率を高める余地は大いにあるのです。
──Coupaが提供している包括的なクラウド型BSMプラットフォームとは、どういったものなのでしょうか。
小関:Coupaでは、サプライチェーンデザインから調達、購買、在庫、請求、支払い、契約、サプライヤー(取引先)とそのリスクの管理、財務、社外リソース管理、経費精算、支出分析まで、企業のあらゆる支出とそれに係る業務プロセスをシームレスにつなぎ、匿名化された膨大な「コミュニティデータ」とAIを活用して、購買にまつわる様々な業務の最適化とコスト削減を支援するプラットフォームを提供しています。企業が既に導入している、SAP、Oracle、NetSuite、その他のERPシステムとも簡単に接続でき、すべてのビジネス支出に対して信頼できる情報源とすることができます。