三菱重工業(以下、三菱重工)は、セメントメーカーであるハイデルベルク・マテリアルズ(Heidelberg Materials)がカナダ・アルバータ州エドモントンに有する既設セメントプラント向けに小型CO2回収装置「CO2MPACT(コンパクト)」を納入。両社による同装置を活用したCO2回収実証試験が本格始動したことを発表した。
同実証試験では、三菱重工が関西電力と共同開発したCO2回収技術である「Advanced KM CDR Process」および吸収液「KS-21」を用いて、異なる排ガス性状やプラント運転モードに対する各種検証を実施。また、三菱重工の遠隔監視システムを活用した遠隔支援サービスも提供するとしている。
ハイデルベルク・マテリアルズとカナダ政府、アルバータ州のパートナーシップにより、将来的には、フルスケールのCCUSソリューションにつなげる狙い。具体的には、エドモントンのセメントプラント設備から年間100万トン以上のCO2を回収、地下貯留するプロジェクトが計画されているという。
三菱重工グループは今後、CO2回収技術を活用し、CCUS事業を推進するとともに、温室効果ガス排出削減に貢献し、環境保護に寄与するソリューションの開発を進めていくとしている。