横河ソリューションサービスとファイトケミカルプロダクツは、植物油の製造過程で発生する副産物で、これまで廃棄されてきたバイオマス資源から、機能性成分やバイオ燃料の主成分を抽出する製造技術の確立に向けた共同開発契約を締結し、協業を開始した。
ファイトケミカルプロダクツは、水処理の分離剤として利用されてきたイオン交換作用を持つ合成樹脂を用いて、植物油から有用な成分を抽出する技術を持つスタートアップ企業。イオン交換樹脂法は、植物油の副産物を原料とした有用成分の抽出にあたり、イオン交換プロセスだけで成分の抽出が可能であることに加え、既存の技術と比較して高温・高真空下環境を必要としない省エネルギーな手法だという。
同協業により両社は、ファイトケミカルプロダクツが所有するイオン交換樹脂法を用いたベンチプラントで実証実験を行う。横河ソリューションサービスは、ファイトケミカルプロダクツが持つ、分離・回収工程における計測データに関する知見を参考にしながら、生成物のリアルタイムの成分分析・推定、計測手段の検討を実施。YOKOGAWAグループが有するモデリング技術も応用しながら、未利用油の分離・回収工程の自動化とプロセスの最適化を目指すとしている。
なお、2024年6月までにベンチプラントでの技術検討・実証を終え、パイロットプラントでの技術実装を経て、2026年度には商用プラント向けにイオン交換樹脂法のプロセスライセンスおよび計測技術、モデリング技術を顧客に提供していく予定だという。