2025年11月28日、DeNAグループのDeNA AI Linkは、「AI社長」を展開するTHAと、エンタープライズ向けAIサービス「リーダーズAI」の共同開発・提供に関する基本合意を締結したと発表した。新サービスは2026年春に提供開始予定である。

多くの企業で生成AIの普及が進む一方、現場利用が定着せず、自社の文脈に沿った判断や独自性のある回答の実現が課題となっている。特に大手企業においては、企業理念や中長期戦略、組織文化といった指針に即した意思決定を強化する仕組みが重要であり、事業部門ごとに異なるリーダーの判断基準を組織全体で活用することが求められている。
「リーダーズAI」は、経営層だけでなく事業リーダーや営業、企画、販売、開発など各部門のリーダーの思考・判断をAIでデジタル化し、理想的なリーダー像を創出・育成・活用することを目指すサービスだ。企業の理念やIR情報、組織文化、さらにはリーダー本人へのインタビューなど多角的な情報をもとにAIを構築し、社員は普段利用しているビジネスチャットツール経由でAIリーダーに相談できる。
例えば「企画の進行可否」や「顧客提案に対する助言」など、上司のスケジュールを気にして相談しづらい場面でも、24時間いつでもAIリーダーが企業のビジョンや価値観に沿った具体的なアドバイス、意思決定の軸、思考を深めるための問いかけなどを返す。これにより、社員は迅速な意思決定と高い精度での業務推進が可能になる。
本サービスはDeNA AI Linkが主体となり、開発・運用・提供を担う。THAは中小企業向け「AI社長」で培った「経営者個人の思考・判断基準・企業らしさをAI化する技術」やRAG(検索拡張生成)技術、プロンプト設計などのノウハウを供与する。RAG技術により、AIは大規模言語モデルに外部データベースから関連情報を検索させ、正確性と最新性の高い回答を生成できる。
DeNA AI Link社内では既に「AI住吉」を活用し、企画の壁打ちや採用候補者の評価など、幅広い場面でAIが意思決定支援や判断力強化に寄与している実例が出てきている。
導入を検討する企業に対しては、リーダーへのインタビューや社内資料から価値観や判断基準をAIが学ぶため、導入までに約3ヶ月を要する。企業文化やニーズに応じた個別調整が可能だ。
本協業は、DeNAグループが推進する「AIオールイン」方針、ならびにAIスタートアップ連携・支援プログラム「"AI" For & With Startups」の一環でもある。今後、組織独自の思考や強みを生かした意思決定をAIとともに実現する動きが加速することが期待される。
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