2026年2月26日、アスクルはサステナビリティレポート「ASKUL Report 2025」を発行した。同レポートは、ESG(環境・社会・ガバナンス)領域における取り組みとサステナビリティ経営の方針を幅広いステークホルダーに向けて明らかにするものだ。

アスクルはこれまで、中長期的な価値創造について、財務および非財務情報の統合報告を通じた情報開示を行っていた。しかし、2025年10月に発生したランサムウェア攻撃が同社の事業運営に大きな影響を及ぼしたことから、2025年5月期については情報の正確性と信頼性を最優先。今回は財務情報を含まない形で、ESGの主要な取り組みに焦点を絞って発行した。
レポートでは、サステナビリティ経営の方向性や、2025年5月期に取り組んだ具体策を体系的に整理している。特に、ランサムウェア攻撃を受けた後の情報セキュリティ強化策や再発防止への対応を詳述しており、今後の経営姿勢も示している。
また、レポート内では「エシカルeコマース」という考え方を中心に据えている。これは、アスクルのBtoBおよびBtoCのeコマース事業を基盤に、社会価値と経済価値の両立を目指すトレード・オンのモデルだ。商品開発・物流・販売といったバリューチェーン全体において、商品環境スコアの可視化や資源循環、商品廃棄ロス削減などへの取り組み事例が紹介されている。
サステナビリティ経営の推進体制については、国際的なガイドラインやステークホルダーとの対話を通じマテリアリティ(重要課題)を特定し、2030年を見据えた目標および実践策を設定。事業活動を通じた社会課題の解決と、企業価値の向上を両立するための進捗管理や見直し体制も紹介している。
加えて、経営基盤の強化として、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の各側面での活動を詳述。環境分野では脱炭素や資源循環、自然資本対応、社会分野では人的資本の強化や人権尊重、健康経営と社会貢献に注力。ガバナンスでは監査等委員会設置会社への移行による取締役会の監督機能強化や、ランサムウェア攻撃後のリスクマネジメント・情報セキュリティ対応策を整理した。
レポートには非財務ハイライトや社外評価、基本情報も記載している。アスクルは今後もエシカルeコマースを通じ、社会課題解決と企業価値の向上に努める方針である。詳細は公式サイトで公開されている。
【関連記事】
・アセットマネジメントOne、「サステナビリティレポート2025」を発行
・PwC Japan、サステナビリティ影響を可視化するホリスティック評価サービスを開始
・EY Japan、2025年度統合報告書を発行 サステナビリティとAIに重点
