電通は2026年4月6日、生活者像を高度に再現できる「特化型AIペルソナ」を新たに開発し、インサイト探索の対話型ソリューション「AI For Growth Talk」へ本格搭載し、運用を開始したと発表した。同ソリューションは、2025年5月発表の「People Model」を基盤とし、カテゴリーや用途、テーマなどこれまで再現の難しかった特定領域の生活者像を、AI技術で表現する。
今回の「特化型AIペルソナ」シリーズは、日用品から耐久消費財、ブランドごとの愛用者、そしてスポーツや音楽といった推し活層など、業種や趣味嗜好に特化した生活者像まで幅広くカバーしている。AIペルソナは約750パターンを搭載し、年齢や性別だけでなく、「健康上の悩み」「日常のこだわり」「利用ブランド」「メディア接触状況」など、具体的な生活背景・価値観を含む多様な要素を取り入れている点が特徴である。

たとえば、「時短志向の共働きDINKs」「教育投資への関心が高い子育て世帯」「動画SNSのヘビーユーザー」「特定スポーツファン層」など、実際の生活者イメージに即したAIペルソナを設定し、企業はこれを対話シミュレーションとして活用できる。商品・サービスやコミュニケーション施策への想定ターゲット層の反応・受け止め方を、AIとの対話で迅速に把握することが可能になる。
さらに、AI For Growth Talkではインタビュー機能も強化した。従来の1対1対話に加え、グループインタビューやペルソナ同士の会話モード、回答サマリー生成、会話テーマ設定(インサイト抽出、アイデア発散、討論、合意形成)が利用可能となり、仮説検証から施策立案・実行までの一連のサイクルを高速化できる。
また、「自社内でAIペルソナと気軽に対話したい」という要望に応え、同機能の一部を2026年内にSaaS形態で社外提供する方針も示している。ブラウザベースで活用できるため、業務内の気付きや仮説を即座にAIペルソナに試し、検証サイクルを加速できる。このほか、社会環境や生活者意識、トレンドの変化に応じてAIペルソナは今後も継続的に拡充される予定である。
生活者価値観や行動の細分化が進み、年齢や性別など従来の属性だけでは十分なターゲット把握が難しい現状において、企業が生活者の悩み・こだわりまで深く理解することの重要性はますます増している。電通は長年蓄積した生活者意識調査や消費行動データをもとに、AIペルソナ搭載基盤の拡張を図り、企業の競争力向上とマーケティング活動支援に寄与する意向を示している。
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