日産自動車は、日本国内において自社開発のドライバーレス自動運転によるモビリティサービスの事業化に向けたロードマップを発表した。
同社は、少子高齢化にともなう公共交通のドライバー不足や地域社会が抱える交通サービスの課題解決に貢献し、誰もが自由に移動できる新しい交通サービスを提供することを目指している。そのため、国内外でモビリティサービスのビジネスモデルを構築するための実証実験を行っているという。
横浜みなとみらい地区においては、2017年より自動運転モビリティサービスの実証実験を行い、福島県浪江町においては2021年より有人運転モビリティサービス(なみえスマートモビリティ)を運行。また、英国においては、英国政府の支援のもと、ロンドン市街などで自動運転プロジェクトを実施している。
同社はこうしたプロジェクトにおける知見をもとに、2027年度より自治体や交通事業者を含む関係各所と協議の上、自動運転によるモビリティサービスの提供を目指す。その実現に向け、2024年度より横浜みなとみらい地区にて走行実証実験を開始し、2025年度以降は実験を行う地域や規模を拡大。将来のドライバーレスでのサービス提供を目指して自動運転レベルを段階的に引き上げながら、顧客の受容性を確認していくという。具体的な取り組み計画は以下のとおり。
- 2024年度:横浜みなとみらい地区にて、「セレナ」をベースとした自動運転車両での走行実証実験を実施
- 2025-26年度:横浜みなとみらい地区、桜木町、関内を含む横浜エリアにおいて、20台規模のサービス実証実験を実施(セーフティドライバー同乗)
- 2027年度:地方を含む3から4の市町村において、車両数十台規模でのサービス提供開始を目指す。現在、サービスの開始に向けて複数の自治体と協議しており、準備の完了した市町村から事業の開始を目指す
なお、同取り組みは経済産業省、国土交通省をはじめとした中央省庁と連携しながら推進。また、経済産業省と国土交通省が主催する「レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」において、新たな自動運転移動サービスの実現に向けた取り組みを促進していくとしている。