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移動データとモビリティDXの最前線

IDOM CaaS Technologyが取り組む人と車のデータ活用による「CaaS」とは

第16回 ゲスト:IDOM CaaS Technology 山畑直樹氏、中津川賢人氏

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新たなビジネスアイデアが続々、さらに広がるCaaS領域

元垣内:こうしたCaaS領域で目指す世界を実現するにあたり、人材採用を含め、どのようなチーム作り、組織作りを考えているのでしょうか。

山畑:弊社は現在、5期目なのですが、最初の2期目まではガリバー出身のビジネス経験者が中心でした。自動車売買のビジネスに明るい人材がそろっていたのはメリットでしたね。そして直近の2年は、オフィスを新宿から大手町に移して金融系のパートナーを増やし、「車×金融」を強化しています。さらに今度は渋谷に移転予定(※取材時)で、社名にも添えているテクノロジーの領域をより加速させていきたいと考えています。テック系の企業カルチャーに寄せていく、ということですね。

元垣内:今後の取り組みで、何か先行してお話しいただけるものはありますか?

山畑:まもなく沖縄でスタートさせるのが、空港の近くにヤードを借り、たとえば東京へ1週間行くような人から車を預からせてもらって、個人間取引の形で沖縄へやってきた観光客に貸し出すというサービスです。ただし、自分の車を知らない人に貸すのは誰しも抵抗があるでしょうから、「ノレル」で借りている車に限定するのがポイントです。

 「ノレル」の範囲内であれば、信用が担保されているわけで、さらに1台の車を複数のユーザーで使うことにより、1台あたりの稼ぎも上がります。それでいてユーザーの負担額が下がるというのは、今後様々なビジネスで目指していきたい形ですね。

中津川:ほかにも、そうしたリースやレンタルに用いた車の、最後のEXITをどうするかという点についても、海外に売却先を求めるフローを構築しようと考えています。日本国内の場合は点検整備が徹底された車両が多いですが、海外はそのあたりがいい加減なので、整備記録がより重要視され、記録の有無が価格に大きな影響を及ぼします。つまり、リースアップした車のそれまでのデータが価値になるわけです。

 また、車を金融商品として、一般の人に向けて投資商品にするモデルが作れないかと模索しています。不動産でも1口数万円程度で投資する商品がありますが、その車版だと思ってください。車ごとの運用益、そして最後の売却益を、我々と投資家で分け合うという形です。

山畑:投資商品として、たとえば「千代田区にマンションを持っています」という話と同列で、「ランドクルーザー5台とハイエース20台を運用しています」となったら、すごく儲かりそう、かつ、楽しそうじゃないですか。我々のテクノロジーで、残価の高い車ほど利回りが良くなるような建て付けは可能ですからね。

 結局、人口が右肩上がりに増えていた時期は、車も単に作って売ればよかったのでしょうが、人口減少期に入った今、車をこれ以上増やしていく考え方は間違っていて、これまでとは異なる最適解が必要なのだと思います。残念ながら格差も広がっていますし。

元垣内:素晴らしいアイデアだと思います。これから「ノレル」がさらに社会に浸透して、日本の車事情を根底から良い方向へ変えてもらえるものと期待しています。本日は貴重なお話をありがとうございました。

株式会社スマートドライブ 取締役 元垣内広毅氏
株式会社スマートドライブ 取締役 元垣内広毅氏

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この記事の著者

友清 哲(トモキヨ サトシ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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