新規事業開発には「現場のブラックボックス化」が不可欠
──三つ目のステップが「事業立ち上げの遂行」ですね。これだけ少し二つと異なるように感じました。
中村:そうですね。これは本書でも紙幅を費やしていろいろと論じているのですが、極めて短くまとめると「頑張りましょう」ということです(笑)。いくら自社に能力やインサイトがあったとしても、戦略を遂行できなければ新規事業は生まれません。これは新規事業の案を承認する経営層にも求められるマインドで、市場規模やROIを評価するのは構いませんが、最終的には現場をブラックボックス化して信じて任せるしかない。精神論も取り入れながら、いかに戦略を機動的に実行するのかが、このステップでの重要なポイントです。