カスタマー部門がコストセンターから経営の中心へ
これまでカスタマー部門は「顧客が困ったときに対応する」受動的な役割にとどまり、企業にとってはコストセンターと見なされてきました。しかし、顧客資本経営の重要性が増す現代において、その位置づけは大きく変わろうとしています。世界では既に、カスタマーサポートが企業の成長を支える戦略的な存在であることが証明された事例がいくつもあります。そして近年、日本でも同様の動きが見られるようになってきました。
世界が示したカスタマーサポートの価値
Apple:リッツカールトンの体験を取り入れた感動体験の設計
スティーブ・ジョブズがAppleに復帰した際、最初に取り組んだのがカスタマーサポートの改革でした。当時のAppleは経営不振に陥っており、製品ラインの複雑さや顧客満足度の低下が課題となっていました。ジョブズはこの状況を打破するため、カスタマーサポートを単なる問題解決の部門ではなく、ブランド体験の中心に据えるという戦略を打ち出しました。