データインフォームド経営の実践に欠かせない、小さくても早期に示す「成果の可視化」

AirJapanでは、ギックスと協働し、データに基づいたレベニューマネジメント体制を構築。過去のデータがまだあまり蓄積されていないなか、3路線体制という小規模スケールに適した柔軟な仕組みを短期間で立ち上げた。特に、ギックスのデータ分析チームとのディスカッションを重ねながら、実際の運賃決定に直結する仕組みを実装できたことは、大きな成果だったと峯口氏は振り返る。通常であれば相当な時間を要するこのプロセスをスピーディに進められたことは、「クイックウィン」の意義を体現する結果だった。

網野氏も「まず動く仕組みをつくることが重要だ」と強調する。たとえば、観光回遊の仕組みを先行させることで短期的な成果を提示し、そこから得られるデータを次の施策への布石とする。データ収集そのものに予算をつけるのは難しいが、「見える成果」と「未来への備え」の両立を図る枠組みであれば、行政や住民の理解も得やすくなる。