月間アクティブ率は驚異の66%。数字が物語る“粘着性CX”の威力
桂花拉麺のLINEミニアプリの成果は、数値にも明確に表れている。
全アクティブユーザーのうち、月10回以上アプリを起動したユーザーは全体の80%を超え、1ヵ月間毎日ログインするユーザーの割合は10%にものぼる。これはオプト社が開発したほかのLINEミニアプリ平均値の約10倍だ。いかに粘着性の高いCXを提供できているかがわかるだろう。
そのほかにも、月間アクティブ率66%、LINE公式アカウントのブロック率3%など、コアユーザー獲得の成功を裏付ける驚異的な数値が並ぶ。また、ログインポイントのクーポン利用率84%と、来店数や売り上げの増加にも寄与し、LTV向上に成功している。
「一般的に、企業の公式アプリはインストール後1週間で9割が非アクティブ化すると言われます。その中で月間アクティブ率66%というのは、まさに驚異的です」(谷口氏)
もちろん、この成功にはLINEミニアプリの特性も大きく寄与している。LINEミニアプリはLINEアカウントを有していればインストール不要で利用でき、メールアドレスの設定なども不要なため、ネイティブアプリに比べて利用のハードルが著しく低い。また、LINEアカウントからシームレスに使用できるため利用習慣も定着しやすい。
CXの仮説検証を高速化。企業視点でのLINEミニアプリの利点
さらに、開発者側のメリットも大きいと竹村氏は指摘する。
LINEミニアプリには、OSごとにアプリを開発する必要がなく、アプリストアの審査も不要という特徴がある。これは、アプリの開発に必要不可欠な「CXの磨き込み」をする上で、大きなメリットとなるのだ。
「私が手がけてきた多くのネイティブアプリ開発と比較しても、『タイパ』と『コスパ』は群を抜いています。OSごとの開発や審査にリソースを割かれていては、本来注力すべき磨き込みに時間を割けません。スピーディーに仮説検証を回せる点は、LINEミニアプリ最大の強みでしょう」(竹村氏)
こうしたLINEミニアプリの強みを活かして、ネイティブアプリの開発を効率化する企業も増えていると谷口氏は話す。
具体的には、LINEミニアプリで新機能を先行提供し、機能を磨き込んでからネイティブアプリに移植するといった手法だ。その他、ネイティブアプリにLINEミニアプリのリンクを貼ることで、ネイティブアプリ側の開発を省略するといった手法も取られるなど、活用法は多岐に及んでいる。

