日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は、日東電工(以下、Nitto)の経費精算チェック業務の効率化と品質向上に向け、エージェント型AIを活用した「AI First BPO」の導入を支援し、本番業務で実装した。
Nittoでは、2016年から「BPO」と「SAP Concur」などのSaaSを同時導入する「BPaaS」への改革を進め、2023年には領収書原本の読み取りや照合を自動化するなど、業務プロセスの効率化に着手。一方で、証憑や社内規定との整合などのチェック、不備検知、手順書の改訂などの業務は依然担当者が目検対応する必要があり、業務の負荷軽減や精度向上、ガバナンス強化に対するさらなる改善が求められていた。
AI First BPOは、「AIを中心に据えて業務プロセスを抜本的に変革し、AIと人が協働して価値を最大化する」という発想に基づき、AI活用によって人が行う仕事の高度化を図り、サービスや業務の生産性、品質などの価値を最大化するための業務変革ソリューション。
AI First BPOの導入により、Nittoは次の変革を実現する。
- 業務プロセスの抜本的変革:出張費や交通費などの経費精算チェック業務の90%を、AIで自動的に確認・精査することが可能。大幅な業務効率化が見込まれる。また、経理担当者の負荷軽減により業務の質向上も期待される。
- AIと人による業務の高度化と最適化:エージェント型AIが経費精算の手順書を読み込み、必要な情報を集め、証憑や社内規定との整合などのチェック項目を自律的にタスク化。その後、各ドメインのエージェント型AIが担当項目の確認作業を自動で実行するほか、経費精算システム「SAP Concur」のワークフローへの反映や、承認、不備を検知した差し戻し処理も自動で行う。経理担当者による確認が必要な対応業務は、BPOの運用により、規定変更や運用改定が生じた際には速やかに手順書の整備などを最適化。

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