2026年1月28日、帝国データバンクは全国2万4,274社を対象に実施したイノベーション活動に関する調査結果を発表した。調査期間は2025年12月16日~2026年1月5日、有効回答企業は1万662社で、回答率は43.9%だった。
今回の調査によれば、2023~2025年の3年間にイノベーション活動を実施した企業は全体の35.9%に留まり、10年前(39.4%)より3.5ポイント減少した。企業規模別では大企業が47.8%と高い一方、小規模企業では26.3%にとどまり、規模が大きいほどイノベーションの取り組みが進んでいる傾向が明らかとなった。業界別では『製造業』『サービス業』の実施割合が4割台で高く、『運輸・倉庫』『不動産』『小売』業界などでは低水準だった。
イノベーションのタイプ別では、「プロセス・イノベーション」の実施が19.8%と最も高く続き、「組織イノベーション」が19.4%だった。他方、マーケティング分野でのイノベーション実施は比較的少数だった。プロダクト・イノベーションとの組み合わせの必要性や、マーケティング手法の課題を指摘する声もあがっている。
イノベーションによる効果については、「業務のデジタル化が進んだ」と回答した企業が36.8%で最多となり、「商品・サービスのラインナップ拡充」(32.5%)、「質の向上」(22.7%)、「売上増加」(21.7%)が続いた。特にプロセス・イノベーションを実施した企業の49.8%は、業務デジタル化の進展を実感している。また、マーケティング・イノベーション実施企業では、「市場シェア拡大」を効果としてあげた割合が26.2%と、全体を上回った。
阻害要因として最も高かったのは「能力のある従業員の不足」(37.5%)であり、次いで「専門部署の不足」(26.0%)、「コストの高さ」(21.0%)があげられた。社内で新しいアイデアが出にくい、従業員の戸惑い、規格や団体の規制が自由な発想の妨げとなっているという企業の声もあった。
今後については、56.5%の企業がイノベーション活動に力を入れたいと考えている。特に「組織イノベーション」を重視する意識が高まっており、業務慣行や職場組織の見直し、権限移譲、社外連携といった領域で変革を進めようとする動きが見られる。
一方で、2015年と2025年の両方でイノベーション活動を継続した企業は20.7%にとどまり、継続的な推進のむずかしさが浮き彫りとなった。業務の標準化、生産効率の向上、人事制度改革の必要性、地道な意識改革の重要性も指摘されている。
第7期科学技術・イノベーション基本計画の策定が進む中、特に中小・小規模企業での取り組み強化が今後の課題となる。
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