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日本企業発・イノベーションへの挑戦者

営業一筋の40代半ばから社内起業家へ。リコーグループ発 田畑氏に聞く、部門解散を経て掴んだ事業化

ゲスト:PFU 田畑登氏

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製品完成前にアワード挑戦。社外発信の反響は?

梶川:日本新規事業大賞にエントリーしたきっかけを教えてください。

田畑:新規事業として外部に発信する機会は貴重なので、出たほうがいいと思いました。

 第一回にも応募したのですが、そのときは審査を通過できなくて。当時はまだ製品をリリースできていなかったので、「ある程度の成果がないと難しいのかもしれない」と感じましたね。

 実は第二回も、肝心のリチウムイオン電池の検知製品がまだ完成していなかったので、「来年にしよう」と思いとどまろうとしていました。ところが、経産省プログラム「始動 Next Innovator」でメンターを務めてくださった方から「今年出たほうがいい」と勧められたんです。「社会課題が大きい分、インパクトも大きいはずだ」と。それで締切1週間前に滑り込みで応募し、ファイナリストに選んでいただきました。

梶川:社内外の反響はいかがでしたか。

田畑:社内では、自分たちで発信したり広報が取り上げてくれたりしたことで、「こんな取り組みをしているんだ」という認知が広がりました。社外でもメディア掲載やイベント登壇の機会が増え、おかげで顧客紹介につながるケースも出てきましたね。

 また、この間にリチウムイオン電池による火災が社会問題として広く認知されるようになり、親会社のリコーもHPやオウンドメディアで私たちの活動を取り上げてくれるようになりました。廃棄物処理事業者のお客様を紹介してもらうこともあります。

梶川:日本新規事業大賞は、社内起業家が集まるイベントでもあります。交流で得られた気づきはありますか。

田畑:「Giver」が多いなと思いましたね。こちらではリーチしづらいお客様を快く紹介してくれたり、相談や壁打ちの相手になってくれたりするんです。順風満帆ではなかったからこそ、同じように新規事業に挑戦している仲間がいることは心強かったです。私も助けられた分、他の方を助けるようにしていますし、これからもそうしていきたいと思っています。

「第二回 日本新規事業大賞」の最終審査でピッチをする田畑氏(撮影:編集部)
「第二回 日本新規事業大賞」の最終審査でピッチをする田畑氏(撮影:編集部)

新規事業に正解はない。考えるより動くべし

梶川:今後の目標を教えてください。

田畑:まずは対象領域の拡大を目指しています。ペットボトルもそうですし、特に金属は選別ニーズが高い分野です。

 それから、電池の種類ごとの選別にも注目しています。リチウムイオン電池だけでも、マンガン系、コバルト系などいくつかの種類がありますし、ニッケル水素電池やボタン電池なども混在しています。ヨーロッパでは、それらをより細かく選別してリサイクル率を高めようという動きが出てきているので、そうした流れにも対応していきたいと考えています。

 もう1つ目指しているのが海外展開です。リチウムイオン電池の検知については、世界でもいくつか製品が出ていますが、認識精度などに課題を抱えているものが多い。特に米国では、日本と同じように廃棄物の選別を人の手で行っているケースも多く、開拓の余地があると考えています。

 一方でヨーロッパでは、廃棄物選別を人手で行うという発想自体がなく、機械による自動選別・除去が前提になっています。そうした高度な水準にも対応できれば、十分チャンスはあると思っています。

 現在は、各地域で選別機メーカーとのパートナー探しを進めているところです。簡単ではありませんが、海外からの問い合わせも増えており、ニーズがあるのは間違いないので、着実に市場を開拓していきたいですね。

梶川:最後に、新規事業開発に関心を持つ読者へメッセージをお願いします。

田畑:「考える時間も重要だが、とにかくまずは動いてみよう」と伝えたいですね。私自身、「あのとき動かなければ、今にはつながっていなかった」と感じる場面が何度もありました。

 もちろん悩むこともあると思いますが、新規事業はそもそも正解が誰にもわからない世界。間違っていることなんてたくさんあるので、自分を信じて動き続けるしかないんです。そこからお客様やパートナー、応援してくれる人との縁が生まれていきます。

 私は新規事業を立ち上げてから、辛いこともたくさんあったはずですが、あまり覚えていません。それだけ面白かったということなんでしょうね。新しい挑戦を、ぜひ純粋に楽しんでほしいと思います。

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この記事の著者

山田 奈緒美(ヤマダ ナオミ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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