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日本企業発・イノベーションへの挑戦者

営業一筋の40代半ばから社内起業家へ。リコーグループ発 田畑氏に聞く、部門解散を経て掴んだ事業化

ゲスト:PFU 田畑登氏

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 2026年4月、大企業の社内起業家にスポットを当て、その事業を表彰する「日本新規事業大賞」の第三回が開催される。これに先立ち、昨年開催された第二回でファイナリストに選ばれたリコーグループ発の新規事業「Raptor VISION」の責任者を務める、PFUの田畑登氏にインタビュー。40代半ばで初めて新規事業に挑み、新規事業部門の解散や親会社の変更といった逆境を乗り越えて事業を形にしてきた田畑氏。なぜ挑戦を続けることができたのか。立ち上げの経緯と、事業を成長させるポイントを探る。

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リチウムイオン電池火災を防ぐ事前検知型AIエンジン

Biz/Zine編集部・梶川(以下、梶川):まずは、田畑さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

田畑登氏(以下、田畑):大学卒業後にPFUへ入社し、気づけば25年以上になります。長くリテール系のアカウント営業として、SIの提案に従事してきました。2020年4月からは新規事業に取り組み始め、現在は「Raptor VISION」の責任者を務めています。

梶川:「Raptor VISION」とは、どのようなサービスなのでしょうか。

田畑:廃棄物分別に特化したAIエンジンです。PFUがスキャナー開発で培ってきた光学技術や画像認識技術を応用し、廃棄物の自動選別を実現しています。人手不足が深刻な廃棄物処理現場の課題解決につながるサービスです。

 現在展開しているのは、ビンを色別に選別する「Raptor VISION BOTTLE」と、リチウムイオン電池を検知する「Raptor VISION BATTERY」の2つ。特に後者は国内でも類を見ない事前検知型の製品で、廃棄物処理場で問題になっているリチウムイオン電池による火災リスクの低減につながります。

「Raptor VISION BATTERY」イメージ
「Raptor VISION BATTERY」イメージ
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40代半ばでの挑戦。廃棄物処理に見た活路

梶川:そもそも新規事業を立ち上げたきっかけは何だったのですか。

田畑:「最近、成長してないな」と思うようになったんです。部下も増え、業績も上がっている。でも、限られた範囲しか見えていない気がして、正直つまらなくなり、「違うところで何かしなければ」と思うようになりました。外に出る怖さもありましたが、そのときすでに40歳を過ぎていたので、「動くなら今が最後のチャンスだ」と考えました。

 ちょうど社内で新規事業部門が立ち上がり、2年目に思い切って手を挙げて2021年4月に異動しました。

株式会社PFU 事業開発本部 次世代事業開発室 RAPTOR事業開発部 部長 田畑登氏
株式会社PFU 事業開発本部 次世代事業開発室 RAPTOR事業開発部 部長 田畑登氏

梶川:40歳を過ぎてから初めて新規事業に挑戦することになったんですね。

田畑:案の定、最初は何から始めればいいかわからず、とりあえず自分の気になるテーマをいくつかピックアップして、試行錯誤していました。

 数ヵ月ほど経ったころに転機が訪れました。当時親会社だった富士通で新規事業創出プログラム「Fujitsu Innovation Circuit(FIC)」が始まったんです。“お試しゼロ期生”として、「新規事業とは何か」を学んでいきました。

梶川:その中でサービス領域を検討されたのだと思いますが、なぜ廃棄物処理を選んだのですか。

田畑:前提として、自社の強みが活かせなければ勝てないと考えていました。そこでPFUのコア技術を整理していくと、画像認識技術に行き着いた。そこから相性の良い領域をいくつかピックアップし、最も将来性を感じたのが廃棄物処理だったんです。

 欧州ではリサイクルに関する法規制が厳格化していて、将来的には日本製品の輸出にも影響が出る可能性があります。さらに日本の廃棄物処理の現場では、いまだに手作業が多く、DXのニーズが高い。自動化によってリサイクルの高度化と省人化を同時に実現できれば、十分勝ち目があると考えました。

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部門解散と親会社変更。逆境での事業継続

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この記事の著者

山田 奈緒美(ヤマダ ナオミ)

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