2026年7月28日、マッキンゼー・アンド・カンパニーは、消費財(CPG)市場におけるディスラプターブランドの台頭と、既存企業の成長回復に向けた戦略的示唆をまとめたホワイトペーパー「消費財(CPG)企業はディスラプターブランドから何を学べるか」を発表した。

本ホワイトペーパーでは、過去5年間で年平均25%以上の成長率、または売上が2億ドル以上拡大したブランドを「ディスラプターブランド」と定義。このブランド群は消費財市場全体の成長が鈍化する中、飲料、スナック、バス&ボディ、害虫駆除など多様なカテゴリーで大きくシェアを拡大している。
飲料カテゴリでは、ディスラプターがカテゴリー成長の22%を牽引し、売上は6倍、シェアは6.2ポイント上昇。バス&ボディではカテゴリー成長の50%を創出し、売上は9倍となった。特に害虫駆除・虫よけでは、2ブランドがカテゴリー成長の72%を担い、売上は30倍、シェアは22.8ポイント増加という大きな変化が観測された。
マッキンゼーの調査によると、40超の消費財カテゴリーで成長が急減速し、大半のカテゴリーで成長率が過去平均を2パーセントポイント以上下回っている。一方、消費者のブランド選択は流動化しており、直近3カ月で約37%が新しいブランドを試し、40%が今後贅沢品を購入する予定と回答。既存大手の「規模の優位性」だけでは安定成長が難しい状況となっている。
ディスラプションは、①限定型、②初期段階、③拡大型、④激化、⑤変革型の5つに類型化された。カテゴリーの規模や成熟度、イノベーション速度によって異なるパターンをたどるが、どんな段階でも急速な変化が起こり得る。
ディスラプターブランドの成功に共通する6つの特性も整理された。1)文化的共感を呼ぶメッセージング、2)独自のフィジカル接点となる販売戦略、3)差別化された製品イノベーション、4)デジタル活用、5)スピードとアジリティ、6)消費者起点のパーパスが挙げられる。これらは単一の製品アイデアやデジタル広告のみでは実現できない強みである。
既存企業にとっては、カテゴリーごとに自社ポートフォリオを5類型で診断し、状況に応じた戦い方へのシフトが重要とされる。イノベーションも反復型の仕組みへ転換し、部門横断型チームに権限を移譲するなど、意思決定の迅速化と消費者起点での戦略展開が求められる。またM&A後は、ディスラプターが持つ俊敏性を失わない統合が成長持続のカギとなる。
日本企業に対しては、カテゴリー別の戦略診断、イノベーションの反復体制、M&A後のスピード維持といった具体的な対応策が推奨されている。市場変化が加速する中、既存企業が優位性を再構築するうえで、ディスラプターブランドに学ぶべき視点が明確に示された。
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