ファーストアカウンティングは2026年、会計伝票等を対象に消費税、接待交際費、寄付金、固定資産・期間損益などの会計・税務論点をAIで確認する経理業務基盤「Steward(スチュワード)・税務確認」の提供を開始したと発表した。第一弾の活用事例として、サントリーグループの経理や総務、人事領域などの業務を担うサントリービジネスシステムが、国内9社の月間約15,000件の会計伝票を対象に、2026年5月から段階的な運用を開始している。

近年、企業の経理部門では人材不足や人件費・外部委託コストの上昇、制度改正への継続的な対応を背景にDXが進み、証憑からの情報抽出や入力、金額・口座情報の照合といった業務のデジタル化・自動化が進展してきた。一方で、会計・税務の専門知識や各社固有のルールを踏まえた判断を伴う確認業務は、単純な文字認識やキーワード検知だけでは対応が難しく、制度改正等により確認すべき論点が変化・増加することもあり、人の手に委ねられることが多いのが現状だという。同社はこうした課題に対応するため、専門性を要する確認や判断をAIで支援する本機能を開発した。
「Steward・税務確認」は、会計・税務の専門知識に加え、企業ごとの社内規程や業務ルールを踏まえてAIが会計伝票等を確認する仕組みである。消費税、接待交際費、寄付金、固定資産・期間損益などの論点について全件の一次チェックを行い、確認結果をステータス別に分類・整理する。追加確認が必要と判断された案件の抽出や、関係部署への問い合わせメールの作成支援など、その後の確認プロセスも支援する。AIによる確認と人による判断を組み合わせ、一次段階として全件を一定の基準で確認できる業務体制の構築を狙う。
サントリービジネスシステムは従来もファーストアカウンティングのAI-OCRを活用し、請求書等に記載された金額や支払先口座情報などの確認業務の効率化を進めてきた。今回はその活用領域を広げ、月次決算後の会計伝票について、人の手で処理する前の段階でStewardが会計・税務論点を全件チェックする。同社グループ経理部プロセス革新グループ部長の伊藤正人氏は「経理特化型AIエージェントの導入は当社にとって初めての挑戦だった。会計伝票の確認において品質向上と効率化を両立する有効なソリューションのひとつであると評価している」とコメントしている。
ファーストアカウンティングは今後、入力や照合の効率化から、会計・税務の専門性を必要とする確認や判断、問い合わせ対応へと支援領域を広げ、経理業務にAIエージェントを組み込むことで業務プロセス全体の高度化を目指す。リアルタイムでの確認支援や残高管理など、Stewardが支援する業務範囲のさらなる拡張も進める方針だ。
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