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イノベーションの“現在地”

キリン「エレキソルト」誕生から社会実装のその先へ──研究者が社内起業家として描くプロジェクトデザイン

ゲスト:キリンホールディングス 佐藤愛氏

出村 光世 [聞] / 大久保 遥(Biz/Zine編集部) [著]

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イノベーションの今──発売後のリアルな反響と「前例なき社内調整」の舞台裏

出村氏:抽選販売やメディア露出を経て、ついに社会実装が始まったわけですが、実際に市場に出してみた反響やターゲット検証の手応えはいかがですか?

佐藤氏:発売後、お客様との接点を通じて新たなニーズが見えてきました。当初想定していた「減塩に取り組むご本人」だけでなく、「健康を気遣うご家族へのギフト」として購入される方が非常に多かったんです。一方で、“電気味覚”という新しい技術は、説明だけでは伝わりにくく、実際に体感して納得していただく体験設計が極めて重要だと再認識しました。

出村氏:確かに、体験してみないと信じられないインパクトがありますからね! プロダクトデザイン面での進化もあったのでしょうか?

佐藤氏:開発段階から「特殊な機器を使っていると思われたくない」というお客様の声を大切にしてきました。そこで第二弾製品ではプロダクトデザイナーにも参画いただき、日常の食卓になじむスプーンやカップとして製品化したんです。現在の製品はグッドデザイン金賞も受賞し、技術だけでなく「生活になじむデザイン」を追求したことが、社会実装において大きな鍵となりました。

出村氏:大企業の中で「デバイスという前例のない事業」を推進する際、量産化や社内調整の壁はどう乗り越えたのですか?

佐藤氏:社内に既存の基準やルールがない状態からのスタートでしたので、関係部門や社外の有識者と相談しながら「基準そのものをつくる」ところから始めました。「前例がないからできない」ではなく、「なぜ取り組むのか」という目的を丁寧に共有し、安全性や品質を守りながら実現する方法を一緒に考えていきました。

出村氏:社内の法務や品質保証、営業部門などを味方につけるロジックがあったんですね。

佐藤氏:キリンは部門を超えた横の連携が活発です。研究、品質、法務、知財、広報、営業など、多様な専門性を持つ仲間にビジョンを語り、力を貸してもらいました。社内起業家がすべてを自分で抱え込むのではなく、「実現したい未来を共有し、専門性を持つ仲間を増やしていくこと」が社会実装の鉄則だと感じています。

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社会実装のその先へ──オープンイノベーションの進化と「プロジェクトデザインの鉄則」

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この記事の著者

大久保 遥(Biz/Zine編集部)(オオクボ ハルカ)

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