モンスターラボは、製造現場のベテランが持つ暗黙知を「形式知(ルール)」に変換し、組織の誰もが同じ判断を再現できるようにするAIソリューション「TakumiRebuild AI」の提供を開始すると発表した。生成AI、ルールエンジン、機械学習を組み合わせた3層構造で、技術伝承、判断のばらつき、ベンダー依存といった製造現場の課題解決を支援する。

背景には、製造業で熟練人材の知見を次世代へ引き継ぐことが難しくなっている状況がある。「2026年版ものづくり白書」によると、人材育成に課題を抱える製造業の事業所のうち62.8%が「指導する人材が不足している」と回答している。
第1層では、ベテランへのヒアリングや業務データなどから、生成AIが判断基準をルール候補として抽出・言語化する。第2層では、ルール化した判断基準をもとに数理最適化やルールエンジンで判定エンジンを開発し、同じ条件に同じ判断を返す再現性のある意思決定を実現する。第3層では、機械学習が過去データから例外や異常を検知する。生成AIがそれを言語化して新たなルール候補として提案し、現場の確認・承認を経て第1層へ還元する。判断根拠がルールとして可視化されるため現場が自ら追加・修正でき、改修のたびに外部ベンダーへ依頼する必要がなくなるという。

大手製造業でのPoCでは、習熟に数年を要する少量多品種・受注生産品の物流配置業務を対象とした。5週間のプロトタイプでベテランの判断ルールを抽出し、AIエンジンを開発した。複数製品のクロス検証の結果、熟練者の判断との一致率は約50%から約85%へ向上し、熟練者の工数は約3分の1に削減されたとしている。
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