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Design×Management=Innovation

「イノベーションは“戦略的いい人”が創る」の意味

【対談】入山 章栄 氏 × 佐宗 邦威 氏:第4回

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 対談連載『Design×Management=Innovation 』は、早稲田大学准教授・入山章栄氏(『世界の経営学者はいま何を考えているのか』著者)と佐宗邦威氏(人気ブログ「D school留学記〜デザインとビジネスの交差点」著者)の2名を対談ホストに迎えて、断片的に語られることで本質が見えにくくなっている「イノベーション議論」に、横断的な視点を入れ各界のトップランナーを迎え議論を深めていく企画である。本連載企画の方向性を示すために、対談ホストである2人の対談をお届けする。今回は入山・佐宗対談の第4回目をお送りする。

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国境を越え繋ぐトランスナショナル・アントレプレナー

佐宗:
 僕は一昨年アメリカのデザインスクールに留学していた時、アメリカとヨーロッパの各地のイノベーターを訪問して回ったことがあったのですが、その際に気付いたのは、海外にいる日本人が日本とつながって何かをやりたいと思っている、もしくは実際にプロジェクトベースでコラボを始めているケースがとても増えているように感じました。

 人とのつながり方が以前より軽やかな感じというか。つながり方の質が変質してきているような気がしますし、国内と海外の境界もさらになくなってきているように感じます。入山先生はいかがお考えですか?

入山:
 常に国境を往復して人や事業をつなぐ「トランスナショナル・アントレプレナー」のことですかね。彼らは国境を超えた事業で大きな役割を果たしていて、インドや台湾であれだけベンチャーが発達しているのは、実は彼らの活躍のおかげでもあるんですよね。

 起業家だけでなく学者や技術者など、様々なプロフィールを持った人がいて、そうした人たちが行き来することで、国と国との関係性に厚みが出てきます。実際、ハーバードビジネススクールでもインド人の教員が多くて、結果として取り上げるのはインドのケーススタディーが多くなったりする(笑)。無意識に影響を受けるんですよね、親しみも持つし。

 そうした「トランスナショナル・アントレプレナー」が、日本はこれまで極端なくらい少なかった。でも、確かに近年急速に増えてきている感じはありますね。

佐宗:
 日本からスタートをしてアメリカの西海岸に移り住むベンチャーも出てきています。電動車いすを開発する「WHILL(ウィル)」もそうだし、サムライインキュベートの榊原さんはイスラエルに行かれたそうですね。

入山:
 そうなの、それはおもしろいですね。まだまだ日本には厚みが足りないから、いろんな役割を持つ人が「トランスナショナル・アントレプレナー」になっていくと面白いですよね。

佐宗:
 「トランスナショナル・アントレプレナー」も前に出た「ハブ人材」も、異なるものとつながって新しいものを生み出すという、イノベーションには欠かせない人材だと思うんですが、キャラクターは若干異なるように思います。ハブ人材は「これとこれがつながるんだよね」って言い方をするんですよ。

入山:
 「つなげる」じゃなくて、「つながる」なんですね。

佐宗:
 はい、意図的に「つなげる」んじゃなくて「つながる」っていう言語を使っているんです。すごく右脳思考というか、「これとこれがつながると面白い」というのが直感的にわかる。「つなげる」のは自分の意志ですが、「つながる」のは自分の意志を越えた力みたいな物を大事にしている印象です。これはFacebookでも1000人を越える友人を持ってくると感じる感覚かもしれませんが。

 その出会いを創出して「つながる」瞬間を立ち上げることに、すごく喜びを感じているんですね。SNSなどで容易につながることができるようになって、ますます活動的になってきている気がします。

入山:
 そういうのが楽しい人というのは、前提として「新しいものをつくることが好き」なんでしょうね。成功するかどうか、利益が出るとか、そんなことよりもとにかく新しいアイディアが形になっていくことに喜びを覚える。

 では「新しいもの」「新しいアイディア」がなにかというと、既存の何かと何かの組み合わせなんです。人はまったくゼロから何かを生み出すことはできない。これは20世紀前半の経済学者であるジョセフ・シュンペータの時代から言われていることで、人の認知に限界があって、目の前の知識は組み合わせられるけど、たいていその組み合わせは誰かがやっている。新しいワクワクするものを作るために大切なのは、「自分が持っている知識と、できるだけ遠くの知識とを組み合わせること」。それがイノベーションの源泉なんです。

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アイディアは「広くて弱い」ネットワークで生まれる

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