“出版不況”の声をよそに急成長するデジタルマンガ
クールジャパンの掛け声の元、日本のアニメやマンガコンテンツを、世界中に発信していこうという機運やここ数年盛んだ。しかし、国内に目を向けるならば、コミックもいまひとつ元気が無い。若年層を中心に本を読まない人が急増しており、その影響はマンガやライトノベルなどにも及ぶ。従来型のコミック雑誌は軒並み部数を落とし、市場全体で縮小傾向だという。
しかし、出版社の不調や書店、取次の倒産などの“出版不況”が語られる一方で、電子書籍は近く実に成長しているという調査がある。
2008年頃から登場した電子コミックは、またたく間に売上げを伸ばし、2013年には前年度比28.4%増、2014年は35.2%増と好調に推移している*。さらにその波及効果で、2013年には紙のコミック市場が18年ぶり上昇に転じたという報告もある。
(『電子書籍ビジネス調査報告書2015』インプレス社の調査に基づく個人ブログ)
2年3ヵ月で1200万DL、6000作品が誕生
電子コミックが好況の中、「comico」は “スマホに特化した”電子マンガ&ノベルプラットフォームとして2013年10月にリリースされた。既に様々なサービスが存在しており、やや後発であることは否めない。しかし、従来のサービスとは一線を画した新たな仕組みで、順調に読者を増やしている。
他のサービスと最も大きく異なるのは、まずスマートフォンに最適化されていること。そして、無料でオリジナル作品が閲覧でき、その作品やクリエイターを核としてファンのコミュニティが形成されることです。投稿機能経由で作品が公開され、約6000作品のなかから130名以上の公式契約作家、つまりはプロとして作品でお金を得る人が生まれています。(チーム マネージャー 鶴見雅弘氏)