「今あるもので、勝負する」ことがビジネスをつくり、キャリアをつくる
——困難を乗り越えられた理由はなんですか?
私は「大切なのは、“夢”と“御飯”の両方」だとよく言っているのですが、先方のキーマンに対して“夢”を語ることと、収益を出せる、つまり“御飯”を食べられる事業だということを、熱を持ってかつロジカルに相手に説明することが非常に重要だと思っています。この2つを認識してもらえば、プロジェクトが前に進んでいくことが多い。もう一つ、「相手の大企業側の作法や文法を意識して相手の立場に立つ」ことも大切だと思っています。私は、スタートアップであるメルカリと大企業との間に立ち、回転数の差を吸収する“クラッチ”のような役目を果たしていると思っています。この役割は、ともすると自分もすり減っていくんですけど(笑)、逆に、自分を“強化クラッチの”ように成長させると、回転数の差を吸収して、レバレッジをかけられるんですよ。想いの強さでも、専門的なスキルでも何でもいい。自分なりの確固たる強みがあれば、双方に対してバリューを発揮できると思っています。