11代目が入社して初めて行ったのは会社の歴史を辿り、その意味を知ることだった
佐宗:
さきほど、大学時代アメリカに留学していたという話がありましたが、ご自身の価値観や現在の仕事に影響を与えるような経験はありましたか?
山本:
私が留学していたのは、アメリカのアイダホという田舎の地域です。日本人は学年に一人という環境でした。そのような環境の中で、327年以上も続く老舗の家業をもつ家に生まれながら、私は海苔やお茶のことはおろか、日本のことについても知らないことばかりだったんだと気付きました。授業で日本の話が出ると、自然とクラスメートの視線が自分に集まるんです。そのたびにみんなが求める答えを持っていない自分にもどかしさを感じていましたね。