ワークプレイスという「空間」を「コミュニティ」へと転換する、作り手の意図を超えた活用との相乗効果
武井:
うちの会社も、なんでもかんでもコミュニティ化しようとしています。一時は会社の納会をオープンにしたら外部の人も一緒に経営を考えてくれるようになりましたし、お客さんとも一緒に考える場を毎月作っています。仕事をするとき、向かい合う関係だと、こっちは「これでどうだ!」みたいに突きつけ、受け取る側は「お手並み拝見」となって、期待値の調整のようなものが必要になるんです。相手の期待値を越えるために感動を生むサービスを……とか、昔はありましたよね。でもコミュニティでは「これはうまくいかなかったね。どうやったらうまくいくんだろう」と一緒に考え、まさに雑談している中から「それ面白そう!」というのが偶発的に出てくる。偶発だからコントロールできないけれど、それが生まれやすい場を作るということを我々はかなり意識しているので、今のお話はすごく腹落ちしました。それを実際の空間として提供するのは、まさにこれからのニーズですよね。
中村:
ビジネス以外ではこれまでもあったんですよね。コミケもそうだし、ストリートスポーツでも、まさにそういう場作りが行われてきたと思います。彼らは制度の外側にいて、場を荒らすと締め出されちゃうから、みんなちゃんとゴミ拾って帰ろうぜ、みたいな行動規範が自然と生まれているわけです。そういう考え方をビジネスの世界にも入れていこうという動きが、ようやく最近出てきていると感じます。