「ハブ人材」の存在はイノベーションにとって有用か、否か?
入山:
今の佐山さんの考えを企業の組織構造に当てはめると、日本企業の多くが「ボスのいるスケールフリー型」ですね。一方、シリコンバレーは「スモールワールド型」と考えると、イノベーションの量が違う理由がよくわかりますね。でも、実際のイノベーションが生まれる状況を見ると、その小さなコミュニティとコミュニティをつないだ時という印象があります。
佐山:
そうですね。そうした役割を担っているのは、評価にこだわらず、邪念がない「つながりを作り出す人」ではないかと思います。そうした人は決して支配力や影響力を行使する“従来型のハブ”になることはありません。損得に関係なくコミュニティ同士をつなぐような“邪念のないハブ”があると、情報の流通が生じてイノベーションの起点になるでしょう。