ユーザー像の可視化を起点に「サービス価値・事業ビジョン」の可視化へ
金井:
組織が拡大・成長していく中で、現場からのボトムアップだけでは「サービスの質を維持・進化」させることが難しくなってきていると感じていました。言い換えれば、マネーフォワードとして目指すような未来像とサービスが一致・共有しきれなくなってきた、と。企業としてのビジョンと事業・サービスのビジョンの整合性が分かりづらかったのです。まだまだ各自がターゲットもマーケットも違うところを見ていたり、各サービスが「情緒訴求ではなく機能訴求」になってしまい、価格競争に陥ってしまう危機感がありました。ちょうどこのころです。長谷川さんに相談させていただいたのは。
開発チームの中でデザイナーたちがトライしたのが、ユーザーの課題や欲求のすり合わせをチーム全体でやるということでした。アンケートやインタビューを通じ、ユーザーが本当に求めているものや価値は何か、分析を行いました。提供側にいる個々の主観ではなく、ユーザーの課題できちんと議論できるように、ペルソナやターゲットとしたいユーザー分布も明文化しました。それを全員で共有して、アップデートしていく。当たり前のことなんですけど、このような定義が暗黙知化していたので、そこから取り組み始めました。