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「イノベーションのジレンマ」の大誤解

大企業の「潜在イノベータ層」の発掘と「イントラプレナーアクセラレーター」という選択肢

「イノベーションのジレンマ」の大誤解【番外編2】Vol.1

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日本企業のイノベーション力を凌駕する世界の巨大な潮流──アングロサクソン型企業の破壊的イノベーション

 筆者が大手企業に入社したのは1990年代前半。あの時代にはまだまだ社内での新規事業を興そうという機運が高かったと思いますし、組織としてもそれを最初は否定すれども、全体として歓迎する雰囲気がありました。一方で、現在のアメリカ・西海岸のようなところの大手企業をみるに、持続型イノベーションの事業は自社で行いますが、自社と軸が異なる破壊型・逸脱型イノベーション事業はスタートアップが行い、人は移動すれども「組織」としては役割分担を図りながら、そのインテグレーションのために大手企業が非常に高いフィーでシリアルアントレプレナーを雇い、どちらかというと自社が新しいものを取り込める感覚を失わないように新規事業を行っているというケースが目立ちます。

 資本主義には英米に代表される「アングロサクソン型資本主義」国家とドイツや日本などの「ライン型資本主義」国家がありますが、前者では社内外を組み合わせた新規事業の創出がメインとなるでしょう。日本でのイメージとは異なると思いますが、一般的に英米企業は自社で破壊型・逸脱型の新規事業は興さず、日独のような共同体的で継続型企業の多いライン型の方が自社による新規事業を創出できてきたと思います。

 さて、そのような状況の中で、経済の伸びが世界的に鈍化する中で、特に先進国の中央銀行が金融緩和を盛んに行う結果、市場にお金が余り、この一部がイノベーションセクターにも流れます。イノベーションに長けた人材が起業してスタートアップを行う流れは先進国を中心に世界中でみられますので、言い方を変えれば、ヒト・カネの観点でスタートアップに大手企業は勝ちづらく、特に世界中で活性化するオープンイノベーションによる「新結合」の世界ではモノも調達可能なので、合理的なアングロサクソン型経済圏がスピード感の桁違いに違うスタートアップと大手企業でイノベーション作業を分担し、大手企業がインテグレーション能力に集中するのは当然の帰結でしょう。

 翻って、このような世界の大きな潮流の中において、日本企業、日本経済においては、今までとは違ったやり方、考え方が求められております。

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この記事の著者

合田 ジョージ(ゴウダ ジョージ)

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