「人口減少」「グローバル化」など課題山積みの日本企業の「働き方」はどう変わるべきか
ピョートル:日系大手企業の本社に行くと本当に腹が立つ。なぜかというと、東京のグローバルな企業の本社にいる社員はグローバルな仕事をしているという認識は全くしていない。某メーカーが倒産したら、日本の法人・本社の人はコンビニで働いて生き残れるからまだマシ。ただ、ブラジル、ロシア、中国、一つの工場で働いている人たちは、例えば会社が一つの町で一つの工場しかない。それがなくなると、餓死の危険がある。それでやっぱり日本人にグローバルな考えを持って欲しい。
ウィー:私は5年間、沢山の日本企業の海外支援をしてきた。日本企業の労務管理、特に雇用主の責任感が高いと感じた。実際にシンガポールにある日系の工場で、2、30年働き続けるシンガポリアンもいる。ロイヤリティとかリテンションの面では日本企業は素晴らしいと思う。しかも、技術移転もしてくれるし、教育や研修の面も非常にしっかりしている。会社の文化をアジア各国のメンバーやマネージャーに教えようとしている。
一方で、先ほどの評価の話にもあるが、例えば日本の本社で役員などの意思決定に近いポジションに本当に昇格できるのか、現地のスタッフは不安を持っている。グローバルワークフォース作りにはまだ欧米企業に比べて出遅れているというのが現状。