ジョブ理論の使い方──顧客のジョブを起点に部門横断型で起こすイノベーションとは?

Biz/Zine Day 2018 Spring レポート Vol.3

[公開日]

[講演者] 津田 真吾 [取材・構成] フェリックス清香 [写] 和久田 知博 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] jobs to be done 事業開発 企業戦略 ジョブ理論 顧客のジョブ

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ジョブを見出すためのフレームワーク

 なかなか見えにくいジョブをとらえるためには、以下の3つのフレームワークを使うとわかりやすい。

1.ジョブの方向性を切り口に考える

 ジョブには、機能的な方向性、感情的な方向性、社会的な方向性がある。たとえば車を例に挙げると、機能的なジョブとしては「A地点からB地点まで移動したい」ということになる。ただし、この機能的なものは先進国だとすでに満たされているものも多いだろう。車の場合、感情的なジョブとしては「爽快感を味わいたい」というものになる。社会的なジョブでは「こんな車に乗っているなんてセンスがいいと思われたい」ということがあげられる。

2.ソリューションへの障害から考える

 人が何か片付けたい、やりたいと思った時に障害になるものは4つある。それは金銭、能力、時間の制約、アクセスだ。例えば途上国では値段が高いからと移動手段がほしいのに車が購入できない人が多い。ところが安価な車が発売されたとたんに売れる。これが金銭という障害を取り除いた例だ。また、今までキーボードが使えなくてインターネットが使えなかった人々がiPadのような商品を目にすると、メールをやってみようかなと購入に結びついたりする。これが能力の障害を取り除いた例である。時間の制約が障害になるというのはわかりやすいだろう。多くの時短グッズが売れるのはこの例だ。最後のアクセスは、手に入れるために手間がかかることを指す。評判だった遠方のお店の支店が近くにできたら売れることを考えるとわかりやすい。

3.現状の代替解決策から考える

 現状の代替解決策の「ぎこちなさ」を見出すことでジョブが見えてくることも多い。例えば、車のライトが壊れた時にガムテープでライトを補強している人がいるとする。そこにはジョブが見て取れる。何か決定的な解決策がない場合、人は身近な解決策でジョブをこなしている。切実であればあるほど、とてもめんどうなことをしたり、ぶかっこうな方法でやりくりをすることも多い。ぎこちなさ、違和感のある行動を見出すことがヒントとなる。

 ジョブとは何かということと、3つのフレームワークをまとめると以下のようになる。

ジョブ理論

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