消費に関わるあらゆる現象から仮説を作れる「サピエンス消費発想法」とは?
最後に、サピエンス消費の発想を使った仮説作りをイメージしやすいよう「商品」「既存データ」「消費事象」の3つのテーマから具体例を解説する。何度も言うが、現象が人間行動に関するものであれば、何でも仮説作りに役立てられるのがサピエンス消費の発想法の利点だ。
■商品
商品では、ネスレ「キットカット」の「きっと勝つ」という語呂と受験合格の連想とを紐づけた有名なマーケティング戦略を題材に考えてみよう。進化本能モデルから読み解けば、競争に勝つという生体維持モジュール、商品を贈り合える男女間の短期戦略としての繁殖モジュール、商品を友人に贈れることで利他的な自分を演出できる間接互恵性による協力モジュール、神頼みで安心する神話信仰モジュール、というように、成功要因の仮説を作っていける。このように、身近にある商品や自分が手掛ける商品などに置き換えて仮説を検討することが可能だ。