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組織を再構築するトップとミドルとは

AGC島村社長に聞く、地道な対話による経営──偉大なリーダーは“人の心に灯をともす”

第1回鼎談ゲスト:AGC株式会社 代表取締役社長 島村琢哉氏(前編)

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閉塞感を払拭すべく、大胆な経営資源配分の変更によって収益構造を転換

加藤雅則氏(株式会社アクション・デザイン 代表取締役、以下敬称略):島村さんが2015年1月にCEOに就任されてから3年半、営業利益が621億円から1196億円と、倍増しました。売上の海外比率は70%超と日本の製造業のグローバル化の先進事例ともいえる状況にもなりました。また、AGCは長らくディスプレイ事業に重心が置かれていましたが、それを「ガラス」「電子」「化学品」でバランスよく稼ぐという収益構造の変革をなさいました。それを成し遂げた背景には、どういったことがあるのでしょうか。

島村琢哉氏(AGC株式会社代表取締役・社長執行役員CEO、以下敬称略):私が就任する前まで、当社は4期連続減益という厳しい状況でした。企業の業績が悪くなってくると、経営層はまず、なぜ業績が悪くなっているのかと理由を求めます。すると、理由探しのための分析や資料作り等の仕事が増えて、本来なら外に向かうべき社内のエネルギーが、全部内向きになってしまう。会社に閉塞感があるとしたら、本社がそれを作り出していると考えました。

利益は売上からコストを引いたもの、業績を改善するためにはトップラインが伸びればいいのです。ただし「トップラインを上げよう」というと、安売りしてでも販売量を増やそうという発想になりがちですが、会社が持っているアセットを十分に活用し、稼働率や生産性が上がって結果的に利益が上がることを目指そうと考えました。

加藤:収益構造の転換を志向されたのはその発想ですね。

島村:かつてはディスプレイ事業の利益が莫大で、そこに偏重していました。しかし次第に市場全体が変化して収益が落ちてきました。市場に理由があるのに「稼ぎ頭なのだから何とかしろ」と経営層が言っても、事業部に意味のないプレッシャーにかけるだけで、担当者は身動きが取れず、苦しみます。そこでその事業の役割を変える。成長事業としての役割から、キャッシュジェネレーターとしての役割に変わったのだと定義づけされれば、担当者は少し安心でき、やるべきことに集中できます。市場を見てフォーカスすべき成長事業を見極め、はっきり打ち出したほうが良いと考えました。

加藤:体質改善ですね。人が動きやすい、安心して動ける枠組みを作られたというのは、非常に特徴的だと思います。

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