「G1」を成功させてカヤックへ──“社内失業”がきっかけで加速する「展開型キャリア」

第9回対談ゲスト 面白法人カヤック 広報 渡辺裕子(わたなべ・ゆうこ)さん:前編

 著書『組織にいながら、自由に働く。』も話題の楽天大学学長の仲山進也氏。会社組織が決めた社命ではなく、自ら決めた使命を胸に突き進むその働き方を、「まさにトラリーマン(会社員の虎)」と、レオス・キャピタルワークス代表取締役社長・最高投資責任者の藤野英人氏も太鼓判を押す。
 先の見えない時代を突破するイノベーティブ人材として注目されるトラリーマンの実在モデルを紹介する連載の9人目に登場するのは、面白法人カヤックで活躍する渡辺裕子さん。グロービス時代にはビジネスリーダーが集う人気イベント「G1サミット」を企画・運営してきた渡辺さんの仕事の流儀を探る。全2回の前編記事をお届けする。

[公開日]

[語り手] 渡辺 裕子 仲山 進也 [取材・構成] 宮本 恵理子 [写] 長谷川 梓 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] ワークスタイル 事業開発 トラリーマン

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前職のグロービス時代に直面した“社内失業”の危機 ──二度目のピンチで「自分だけの仕事」をつくる

仲山進也さん(以下、敬称略):渡辺さんとお会いしたのは1年前でした。Yahoo!アカデミア学長の伊藤羊一さんの「フェローっぽい社員同士で飲もう」という声掛けで。まだ、渡辺さんがグロービスにいらした頃でした。

渡辺裕子さん(以下、敬称略):私はG1サミットの事務局長という立場でした。まず、キャリアの流れをざっくりお伝えすると、2004年から17年までグロービスという会社にいて、08年からG1サミットの立ち上げ、以降ずっと企画と運営に携わってきました。2013年から契約社員に切り替えて、複業という形でカヤックの業務委託の仕事を始めたのが2017年の5月から。8月にグロービスを辞めて正式にカヤック社員になりました。

仲山:今のカヤックでの働き方も自由そうですが、グロービス時代のほうが「組織にいながら自由に働くヒント」がありそうな気がするのでまずはそこから伺いたいです。

渡辺:04年に入社した頃は普通に正社員としてキャリアを歩むつもりでした。配属されたのは人材バンク部門で岡島悦子さん(現プロノバ代表)の部下として3年ほど働いていました。でも、岡島さんが独立され、その後、全社の方針で部署はクローズすることに。広報室に異動して、サービス業界向けカンファレンスの担当を振られたのですが、「やはり中止しよう」ということになって。「“社内失業”になってしまう!」と焦りました。

仲山:社内失業!

渡辺:自分の生きる道を探した時に思い当たったのが、当時の社長の堀さんが「ダボス会議の日本版を作りたい」と常々おっしゃっていたなと。私も、「どうせカンファレンスをやるなら、もうちょっと広い視野でやりたいな」と感じていたので、社長に「それ、私やります!」って企画書を渡したら「やってみなさい」ということで。

それが2008年7月のことですが、会社の主幹事業であるビジネススクール運営とはあまり関係なかったし、担当は私1人だけだったので、半年くらいかけて第1回(2009年開催)の立ち上げを。一発で終わるかと思いきや割と成功したので年1回の続行が決まって、今に至っています。振り返ると10年近く関わらせてもらったんですけど、経験としてすごく糧になっています。

仲山:やっぱり「1人で全部やる」ような経験をされているんですね。あと、主幹事業と離れていると誰からも口出しされにくいから自由度は高くなりやすいですよね。ただ興味も持ってもらいにくいですけど。

渡辺:そうそう(笑)。興味を持たれないし、「そもそも、何やっているの?あの人」みたいな感じで。

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