仏教+アート+アカデミズムの現場から
松本紹圭氏は僧侶として務めながら、仏教ウェブマガジン『彼岸寺』(higan.net)や、お寺カフェ「神谷町オープンテラス」を企画し、住職向けのお寺経営塾「未来の住職塾」を開講するなど「MBAを持つ僧侶」として縦横無尽に活躍している。世界的にも仏教への関心が高まる中で、世界経済フォーラム(ダボス会議)のYoung Global Leaderに選出されるなど、特に注目を集める存在だ。
実は私も十代の頃は宗教嫌いでした。世界で起きている宗教がらみの諍い、仏教でも他の宗派を認めない立場主義など、宗教が教義として掲げることと異なることがあまりにも多過ぎる。しかしながら、混沌とする現代社会で宗教に求められるものは決して少なくありません。その本来のあり方に立ち戻りつつ、従来の宗教とは異なる、現代のニーズに即した形で宗教のあり方を模索したいと考えています。(松本氏)
林口砂里氏はアート・プロデューサーとして、国立天文台とクリエイターのコラボレーション・プロジェクト「ALMA MUSIC BOX」や、多様な分野の講師を招く現代版寺子屋「スクール・ナーランダ」など、現代美術、音楽、デザイン、仏教、科学と幅広い分野をつなげるプロジェクトの企画・プロデュースを手掛けている。また故郷である富山県高岡市で「工芸ハッカソン」のプロデュースなど、地域のものづくり・まちづくり振興プロジェクトにも取り組んでいる。