成果を生み出す「無我の創造」のシステムとは?
それでは、ここからはトークセッションの様子をそのまま紹介しよう。次から次へと話題が広がり、とめどもなく広がったかと思うと、また核心へと迫っていく。そんな”流れ”に身を任せて、ご覧いただきたい。
まず、井庭氏は、鎌倉一法庵住職の山下良道氏が、マインドフルネスの状態を「青空」に喩えていることを紹介した。自分の思いや作為を含む「シンキング・マインド」(考える心)が「雲」だとして、それらをすべて手放した「青空」の状態こそ、マインドフルネスの状態の”私”であるというのだ。多くの人は、シンキング・マインド(考える心)がなくなってしまうと、何も感じられなくなってしまい、眠っているのと同じになってしまうと考えてしまいがちだが、実際には、それらを手放しても、「青空」としての私が残り、感じることができる。瞑想でマインドフルネスに至るというのは、シンキング・マインドの「雲」を手放していき、「青空」としての私になるということだと山下氏は言うのだ。