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米国デザインスクールOBが語る、デザイン経営の中核となる「ビジネスデザイナー」養成カリキュラムとは?

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 10月21日(日)、早稲田大学の「稲門祭」にて、早稲田大学出身起業家のOB会であるベンチャー稲門会の企画で「<Design x 事業創造>世界の人材育成と実践事例~Waseda x Design」が開催された。Takram ディレクター/ビジネスデザイナーの佐々木康裕氏、株式会社SEN代表/建築家/コピーライターであり、早稲田大学の社会人教育事業であるWASEDA NEO講師の各務太郎(かがみ・たろう)氏が登壇した。220名超の申し込みがあった、イベントの様子をお伝えする。

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ドイツのバウハウスを源流に持つデザインスクールIDとは

 最初に登壇したのは、デザイン・イノベーション・ファームTakramのディレクター/ビジネスデザイナー佐々木康裕氏。講演では「自身のデザインスクール留学体験」と「ビジネスデザイン」の2点に関して、語った。

「イリノイ工科大学デザインスクール(Illinois Institute of Technology Institute of Design、以下ID)を一言で総称するなら、『0→1担当者養成学校』と言えます。デザインスクールと言うと、日本では美大や芸大を思い浮かべるかもしれませんが、IDはビジネスの0→1フェーズに役立つ内容を学ぶことができます」

 IDは、ドイツのデザイン教育機関バウハウスを源流に持つデザインスクール。1937年、元バウハウスのモホリ=ナジ・ラースロー氏が渡米し、シカゴに開設した学校が「ニュー・バウハウス」だ。1949年、ニューバウスは「イリノイ工科大学」(Illinois Institute of Technology )に吸収され、現在はイリノイ工科大学の一部として存続する。

 バウハウスに源流を持つIDでは、どのような0→1フェーズの学習ができるのだろうか。佐々木氏は名物カリキュラムを紹介した。

「IDには『Ten Types of Innovation』の著者で、デザインファームDoblinの創業者ラリー・キーリーという名物教授がいます。授業で突然、『Appleでアプリを購入すると、少し後にレシートがメールで送られてくるが、その理由を答えなさい』と、聞かれたことがありました。皆さんはその理由がわかりますか?」

 答えは、租税回避策としてAppleが子会社をアイルランドに置いたため、メール送付のタイミングが遅れるというもの(2020年までの猶予付きで、現在はフランス・ジャージーに同様な理由で子会社が置かれている)。

 財務・経理上の知識をデザイナーに求める。まさに、佐々木氏がビズジンで執筆したコラム『財務諸表が読めるデザイナー「ビジネスデザイナー」とは何者か?』のような教育が展開されている。

佐々木康裕佐々木康裕 氏(Takram ディレクター/ビジネスデザイナー)
クリエイティブとビジネスを結びつけ、デザインリサーチから、プロダクト・事業コンセプト立案、ローンチ・グロース戦略立案等を得意とする。複数の事業立ち上げ経験を持ち、ファイナンスにも精通。 Takramでは、家電、自動車、運輸、通信、食品、医療、素材など幅広い業界でコンサルティングプロジェクトを手がける。講演やワークショップ、Webメディアへの執筆なども多数。大手家電メーカーやシンクタンクの戦略アドバイザーも務める。Takram参画以前は、総合商社でベンチャー企業との事業立ち上げ等を担当。経済産業省では、Big dataやIoT等に関するイノベーション政策の立案を担当。 2005年早稲田大学政治経済学部卒業。イリノイ工科大学Institute of Design修士課程(Master of Design Method)修了。

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