『WISEPLACE INNOVATION 目的工学によるイノベーション実践手法』は、目的工学を提唱する紺野登氏とFCAJ・目的工学研究所がイノベーションを生み出すための場を作る方法論をまとめた1冊です。
多くの企業でイノベーションを創出しようとする動きがありますが、そうした施策が行き詰まるのは場作りがうまくいっていない場合がほとんどです。紺野氏は本書において、この問題を解決すべく「よい目的が知識社会、知識経済を動かす」とする目的工学をベースとした場(WISEPLACE)の方法論を包括的に解説していきます。
場には3つのタイプがあります。産学官民が集まり仮設を立てるフューチャーセンター、企業のリソースによって仮設から試作を作るイノベーションセンター、試作を用いて社会実験を行うリビングラボです。これらの場を連携させ、イノベーションを生み出し続けるエコシステムがWISEPLACEなのです。
では、いかにしてそうした場を作ればいいのでしょうか。本書では、目的工学に基づくファシリテーションを実践したワークショップを紹介。具体的な手法はもちろん、産官と地域が連携したケースや、各企業の実践例も解説しました。
イノベーションだと意気込みながらなかなか成果が上がらない企業の方に、ぜひ本書をお勧めします。何も起きないワークショップはこれっきりにしましょう。
イノベーションだと意気込みながらなかなか成果が上がらない企業の方に、ぜひ本書をお勧めします。何も起きないワークショップはこれっきりにしましょう。
目次
第1章 「場」がイノベーションを生み出す
・なぜ場がイノベーションに不可欠なのか?
・「場」が創る次の社会
・「オープンイノベーション2.0に向かって
第2章 イノベーションの「場」のデザイン
・「場」の方法論とは何か
・イノベーションを生み出す3つのWISEPLACEの特性
・WISEPLACEをイノベーションが起こる美味しい場とするために
第3章 イノベーションとは目的のことである
・イノベーションは「知識創造」のプロセスがもたらす
・人は「目的」により駆動する
・個人の主観から集団における相互主観の融合へ
・新エンジン開発にみる「目的」の力:マツダ
第4章 目的工学とは、イノベーションの「場」に必要なOS
・場と目的の実践的関係
・目的を創出・マネジメントする基本的な考え方
・目的工学プログラムのステップ
第5章 目的工学ワークショップ
・目的工学アプローチによるワークショップとは
・目的工学ワークショップの進め方といくつかのタイプ
・目的形成のパターンとワークショップ用ワークシート
・持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)
第6章 目的工学ワークショップ実録
・産官(官民)における連携のケース
・大学・企業と地域社会の連携のケース
・イノベーションキャンプのメソドロジー
第7章 データで議論を視覚化する
・ワークショップの議論を視覚化し、構造化する
・大・中・小目的群をコンセプト・コンパス・チャートで共有する
・駆動目標をマッチング・マインド・マップで創出する
・「連関データ分析」はイノベーションを駆動できる
第8章 ソーシャルイノベーションの時代と目的工学
・ソーシャル(社会的)イノベーションの要請
・製品イノベーションとサービスシステムイノベーション
・サービスシステムにおける目的と目的工学への期待
第9章 目的工学でプロジェクトを動かせ
・目的工学に基づいてイノベーションを実践する
・オープンイノベーションと目的工学
・ソーシャルイノベーションと目的工学
・ソニーの目的工学的プロジェクトマネジメント
WISEPLACE INNOVATION
目的工学によるイノベーション実践手法
著者:紺野登、一般社団法人FCAJ・目的工学研究所
発売日:2018年11月20日(火)
価格:2,700円(税込)
本書について
本書はイノベーションを起こす「場の方法論」について包括的に著す日本初の試みとして企画された、イノベーションのためのレシピ本です。
さらに11月20日に開催されるFCAJ3周年記念シンポジウム
「変容の時代の新たな倫理」では当日参加者全員に本書がプレゼントされます。
こちらは、日立製作所 名誉フェローの小泉英明氏をはじめとする有識者が登壇。
これからの社会や地球を考えるうえでの規範や社会技術としての「倫理」をテーマにした内容です。FCAJ会員以外の一般の企業の方も参加できます。
開催:11月20日 14:30~18:15
詳細・申込み:http://www.futurecenteralliance-japan.org/information/news/815