心理的安全性がActionできる組織の鍵──メンバーの能力を向上させる「場づくり」
最後に「Action」です。リーダーとしてのActionには、メンバー全員が活躍できる「場づくり」が大切です。新規事業開発のプロセスでは試行錯誤が多く、時には強引とも思われるリーダーシップが必要にもなります。その延長で、リーダーが無意識にトップダウン型のマネジメントをし続けてしまうというケースは珍しくありません。これまでにない事業を創るというチャレンジの中では、メンバー全員の力を出し切り、自分も含めてメンバーの能力をストレッチさせ続けることが求められます。アイデアを自由に出せ、本音の議論ができ、失敗しても咎められることなく次のプランを実行できる、「心理的に安全」になれる場をつくるのです。
さらにはメンバーを「信頼して任せる」といった勇気も必要になります。新規事業の開発では、決められた手順や正しいやり方はありません。メンバーが試行錯誤している段階でしびれを切らしてリーダーがやり方を指示してしまうと、いつしかメンバーはリーダーの指示待ちになってしまい、行動が遅れるという事態に陥ります。「メンバーにやり方を任せた方が、結果が出る」というのは、事業開発の場面ではよくある話です。