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CVCの基礎と成功戦略

CVCをブームで終わらせない「6つの成功要件」──日本企業のイノベーションの転換点へ

株式会社Groove Ventures戸祭陽介氏、株式会社ゼロワンブースター鈴木規文氏【後編】

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 本連載では、CVC関連事案を手掛ける株式会社Groove Ventures戸祭陽介氏と株式会社ゼロワンブースター鈴木規文氏がナビゲーターとなり、多くの識者・実践者との対話を通じて、CVCを成功に導く方法を考え、ノウハウやマインドセット、失敗体験の共有などを目的としている。前編に続き、ナビゲーター同士の対談から基本的なCVCの価値や活用について理解を深めていく。

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CVCを成功させるための6つの要件(1) 人材・評価と報酬

──前回はCVCを含めた企業の投資戦略の分類、CVCとは何か、日本のCVCの変遷などについてお聞きしました。しかし、盛り上がるCVCに対して可能性やメリットに触れながらも、目的の理解や体制の不整備など懸念も示されていました。改めて、CVCを成功させるために不可欠なことや解決すべき課題についてお聞かせいただけますか。

株式会社Groove Ventures戸祭陽介氏(以下、敬称略):先にお話したように目的意識などかなりいろいろと課題はありますが、CVCの成功法則として項目をあげながら、それに対して取り組みが足りない部分、見落としている部分、課題とその解決策を紹介していきたいと思います。

 まず1つ目は「VC投資に精通した人材がいること」が重要です。さきほども触れましたが、3年以上はVCに携わっていた人が望ましいですね。そうした人材を自社で確保できないならば、育てる必要がありますが、その場合、独立系VCと連携することをオススメします。方法としては、エッセンスを集約してもらい短期間で学んだあと、独立系VCからアドバイスを受けながら自社CVCの現場で経験を積むか、独立系VCに出向してOJT的に学ぶかというところだと思います。

株式会社ゼロワンブースター 鈴木規文氏(以下、敬称略):日本全体を見渡しても、事業会社にはそのような人材は少なく、VCとの連携は賢明かもしれませんね。国内でもそのような人材は徐々に増えてきている感じはあるのですが、そんなに早く人材が育つものなのでしょうか。

戸祭:もちろん経験は必要なので、時間は必要だと思います。ただ基礎的な知識もないまま経験を積むよりも、しっかりと基礎を押さえてから経験を積むほうが成長は早いと思います。できればVCに出向するといいですね。事業会社なら年に5案件くらいしか投資検討しないかもしれませんが、VCにいれば年間50〜100件の投資案件の検討を経験できるのではないでしょうか。

鈴木:必要ならばVCなどから人材を採用する、人材を育てたいなら独立系VCへ出向して経験を積ませる、またはVCに伴走してもらいながら社内で経験を積ませるというところでしょうか。もちろん、ハイブリッドでもいいのかなと思います。

戸祭:そうですね。2つめとして、人材確保のためにも「評価・報酬の調整をしっかりすること」をあげたいと思います。

鈴木:ちょっとここはお話したいことがたくさんあります(笑)。まずは先に要件を出してしまいましょうか。

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