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無消費を起点とした「市場創造型イノベーション」──大企業で“説明責任の呪縛”を回避し実践するには?

ゲスト:INDEE Japan 津田 真吾氏、Relic 北嶋 貴朗氏

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 クリステンセン教授の著書『繁栄のパラドクス』や『ジョブ理論』を題材に、大企業の新規事業開発を支援するINDEE Japan津田真吾氏、Relic北嶋貴朗氏の対談が実現。市場創造型イノベーションとは何か。その起点となる「顧客のジョブ」や「無消費」などを議論しました。最終的には、日本企業が市場創造型イノベーションに取り組む具体策までを議論した対話内容をお届けします。

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ローカルな雇用を生み出す、「市場創造型イノベーション」とは?

──クリステンセン教授の著書『繁栄のパラドクス』では、「市場創造型イノベーション」が大きなテーマとなっていますが、まずは「イノベーションの種類」からお聞きできればと思います。

INDEE Japan 津田真吾氏(以下、敬称略):クリステンセン教授はイノベーションを3つに分類しています。1つ目が、すでに市場にあるプロダクトやサービスを改良し、既存客により高い価値を提供する「持続型イノベーション」です。既存商品・サービスのVerアップ版などが該当します。

 2つ目が、商材や顧客セグメントを含めた既存のビジネスモデルを変えないままで、リソースやコストを減らすことで起こす「効率化イノベーション」です。最近では、RPAやAIなどを活用した様々な業務効率化・自動化サービスが、効率化イノベーションを起こすためのツールとして活用されていますよね。この効率化イノベーションに関してクリステンセン教授は、「資本家のジレンマ」という言い方もしています。

──「資本家のジレンマ」とは、どのようなものでしょうか。効率化イノベーションも十分、ビジネスとしては必要な活動だとは思いますが……。

津田:効率化イノベーションによって様々な業務が効率化される過程で、利益は増えるものの売上は変わらず、人員削減などがはじまり雇用は減りますよね。本来は、効率化により浮いた資本を、このあとに議論する「市場創造型イノベーション」へ再投資しなくてはトップラインの成長は実現できないのですが、企業経営の現場では理想論に過ぎません。なぜなら、短期的に考えれば、さらなる投資を効率化に仕向ければ、確実に企業の利益は増加します。時間のかかる「市場創造型イノベーション」が理想的だとわかっていても、そこに向かわないことをクリステンセン教授は「資本家のジレンマ」と呼んでいるんですね。

──では、3つ目の「市場創造型イノベーション」とは、どのようなものでしょうか?

津田:それまでプロダクトやサービスがなかった市場に商材をローンチする。もしくは複雑で高価な商材ばかりで、多くのユーザーが商品・サービスを買えなかった市場に安価でシンプルな商材をリリースするものが、3つ目の「市場創造型イノベーション」です。

 「市場創造型イノベーション」には重要な特徴が存在します。市場だけではなく「ローカルな雇用」を創出するという特徴です。

──「ローカルな雇用」の対になるのは「グローバルな雇用」でしょうか?

津田:いい質問ですね。『繁栄のパラドクス』では、市場創造型イノベーションが起きると、国内において新たなサプライチェーンが生まれて雇用が創出されるとしています。一方、特に効率化イノベーションでは、 グローバルに移転可能な雇用が生まれるとしています。 たとえば、人件費の安い国への雇用流出や、短期には高いコストがかかるけど面倒な問題が少ないロボットへの置き換えなどですね。

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市場創造型イノベーションは「顧客のジョブ」が解消されない「無消費」の発見から

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