社内ルールに縛られず事業を進めるために必要な“覚悟”
畠山:予算承認を得てからは順調に進んだのでしょうか。
中村:スピードは速かったと思います。資金提供の条件に2年以内に単月黒字をチェックゲートとして引かれていたため、走らないと消える恐怖は非常に強くありました。ただ、大きな組織の中で上司や周りの部署と調整しながら進めていくことに慣れており、最初はかなり四苦八苦しましたね。たとえば、eiiconはプラットフォームビジネス構想だったため、開発部のマネージャーに相談します。「3社くらいの見積もりを取ったほうがいいよ」と言われれば、その通りとりあえず3社の見積もりを取ってそれを報告する。それで「なぜこの3社の見積もりを取ったの?」と言われる。誰かが正解を持っていることに慣れていて、調整しながら正解にたどり着こうとしていました。自分でやりたいことがあり事業資金も得たのに、“自分で決めていい”ということに気づけなかったのです。