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経営層を巻き込み、出島ではなく事業部まるごとイノベーション・エコシステムの実験場にする方法とは?

ゲスト:『イノベーションの攻略書』共著者 ダン・トマ氏【後編】

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 ダン・トマ氏は『イノベーションの攻略書 ビジネスモデルを創出する組織とスキルのつくり方』の共著者であり、様々な大企業とともに仕事をしてきた。そのダン・トマ氏に、訳者の渡邊氏が大企業におけるイノベーション作りに関する考え方を聞いた。前編では、企業がイノベーションを生み出すエコシステムに転換する必要性とその5原則などについて紹介した。後編では、エコシステムへの転換を図るために必要なコツや、日本企業の持つ強みを紹介する。

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大企業に「イノベーション・エコシステム」を持ち込む方法

渡邊 哲氏(以降、敬称略):前編では、大企業がイノベーションを生み出すのに、出島を作るのではなく会社全体をイノベーション・エコシステムにするべきだという主張と、そのイノベーション・エコシステムには5つの原則と3つのブロックがあることを伺いました。イノベーション・エコシステムへの転換を望む場合、エコシステムの5つの原則もしくは3つのブロックで、この順に着手するとよい、という順序はありますか。

イノベーションの攻略書出典『イノベーションの攻略書 ビジネスモデルを創出する組織とスキルのつくり方』(P040 図1.8 イノベーションエコシステム)

ダン・トマ氏(以降、敬称略):このエコシステムでは、どこか一部だけを切り出すことはできません。全てが揃っていないとエコシステムとしては機能しないのです。

渡邊:しかし企業全体を転換させようとすると、反発する人が出そうです。イノベーション自体が必要なことには同意するけれど、会社が決めたやり方ではなく、自分のやり方でやりたいという人もいますよね。あなたの経験では、各企業はどのように導入を進めたのでしょうか。

トマ:たしかに、急に外から手法を投げ込まれたように感じれば反発する人も出るでしょう。そうならないためには、社内全員を新たなエコシステムへの転換の過程に巻き込む必要があります。また全社を一度に転換しようとすると、負荷がかかります。私がお勧めしたいのは、非常に小さな規模で全体の工程を一度試してみて、組織として受け入れられることを確認してから、再度実行することを繰り返す、段階的・反復的な転換です。

 小さな規模というのは、1つあるいは2、3のビジネスユニットという意味ですが、まずはそのくらいの規模で始めて、どのブロックの運用が難しいかを確認するのです。そしてその部分を強化した上で、新しいやり方でさらに他のビジネスユニットへと広げていきます。リーン・スタートアップはトヨタ生産方式の「カイゼン」の影響を受けていると言われますが、「カイゼン」と同じように小さく変更を重ねて、イノベーションを生むエコシステムに自社全体を転換していくことが必要です。こうすると、社内の全員がこの転換の動きに参画している感覚を得られるので、外から急に組織を変えられたようには感じないでしょう。

 転換を開始したのに、それを妨害する人がいる場合は、プロセスの早い段階でそういった人を巻き込むことができなかったためだと思います。

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大企業のイノベーションは経営層を巻き込めなければ「失敗」する

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この記事の著者

和久田 知博(ワクダ トモヒロ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

渡邊 哲(ワタナベ サトル)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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