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デジタル経営の実践と戦略

オムロンはどのように動画で経営戦略を浸透させ、BtoB事業のコンセプトを顧客へ伝えたのか?

ゲスト:オムロン株式会社 飯田 紀章氏、木村 佳奈子氏

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 世界約120の国と地域で事業を展開するオムロンは、国内外の社員向けのコミュニケーションに多言語の動画やライブ配信を活用している。また社外向けには、注力している新規事業のコンセプトを伝えるのに動画を役立てている。
 同社のグローバルインベスター&ブランドコミュニケーション本部の飯田紀章氏と木村佳奈子氏に、その実践内容や手応えとともに、withコロナで新しい働き方にシフトしていく今後の、デジタルコミュニケーションの重要性についても伺った。

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中期経営計画を社長自身が動画で語りかけ、現場での実践にも活用する

──どのようなきっかけで動画の活用を始めたのでしょうか。

飯田紀章氏(オムロン株式会社 グローバルインベスター&ブランドコミュニケーション本部、以下敬称略):動画での社内コミュニケーションを戦略の浸透のために本格的に利用し始めたのは2017年でした。弊社は2011年から10年間の長期ビジョン「Value Generation 2020(VG2020)」を策定しており、2017年度からは、VG2020の中の最終の中期経営計画VG2.0が始まっています。VG2.0は、VG2020の最終仕上げ期間という位置づけであるとともに、次の10年の準備段階という位置づけでもあり、戦略の徹底した浸透が必要だったのです。

 弊社は約120の国と地域で事業を展開しており、社員も3分の2が海外にいます。そうなると戦略を正しく理解してもらうためには文章だけでは伝わりにくいので、日本語、英語、中国語の字幕付きの動画を使い、社内コミュニケーションを進めてきました。

 まずは社長による中期経営計画VG2.0を説明する動画コンテンツを配信し、その社長のメッセージを補完するような形でCTOやCFO、人財総務本部長から連続してメッセージを出し、詳細を伝えました。

──その後も、動画を使ったコミュニケーションを継続されていますか。

飯田:はい。トップが戦略の内容を発信したのに続き、その戦略をどうやって実践していくのかということをわかりやすく伝えるため、社員の実践例を伝える動画シリーズを制作しました。トップや経営層のメッセージも含めて、2017年は11本、2018年は7本の動画を配信しています。その他にも、各国の展示会に出展した様子や、社内イベントの内容などを共有するのにも動画を使っています。

 弊社は複数の関連会社を持っており、各事業会社でやっていることがかなり違うため、他事業への関心が希薄になるという、縦割りの弊害が生じてしまう懸念がありました。そこで、他の事業部の取り組みを、動画を通じて理解してもらうことで、事業間をまたがったイノベーションの創出を促したいと考えているのです。また、社長メッセージの中でも、毎回いろいろな事業の社員の活躍を取り上げて紹介します。そうすると、全社についての理解が深まるのはもちろん、「自分たちも取り上げてもらいたい」というモチベーションにもなるのですね。

 中期経営計画では「注力する領域」として、ファクトリーオートメーション、ヘルスケア、ソーシャルソリューションの3つのドメインを定めています。これはグループ内のどの事業会社で担当すると決めているわけではなく、どの事業会社で挑戦しても良いし、違う事業会社同士で連携してやることを奨励しているんです。そのためにも、会社の枠を超えて相互の理解を深めるようなコミュニケーションが必要なのです。

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