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事業ポートフォリオとしての新事業創造

新規事業が実行フェーズに移行しない理由──「ビジネスのR&D」が大ヒットを生む仕組みづくりとは?

第2回

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 前回は、次世代の柱となる事業を創造するために、欧州の大企業が実施している取り組みについて、主に事業戦略部門の観点から見てきた。今回は、新規事業開発に実際に携わっている現場の視点から、左脳的なプロセス思考で右脳的な事業創造を効率化する仕組みを見ていきたい。

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「イノベーション研修」を受けても新規事業が立ち上がらない理由

 デザイン思考、リーン・スタートアップなど、多くの企業で社員向けにイノベーション研修を実施している。弊社でもこれまで多数の日本企業向けに、『ビジネスモデル・ナビゲーター』のワークショップを実施してきた。参加いただいた方からは、ビジネスモデルの考え方や、新たなアイデアの創造方法がよくわかったと評価していただくことも多い。

 それにもかかわらず、「イノベーション研修はたくさん受講しているが、実際の新事業創出プロジェクトにつながらない」、という声を聞くことが多いのはなぜだろうか。どうすれば現状を打破できるのだろうか。

 過去のアンケートや打ち合わせメモ等を読み返すなかで、以下のような実態が見えてきた。

  1. 既存の業務で忙しく、新規事業に時間を割くことができない
  2. アイデアは出るが、実行に移すところでつまずく
  3. 新規事業は容易に売上利益が上がらず、個人の人事評価が下がることから怖くて実施できない

 このような課題に対処するため、欧州の先進企業の多くは、試行錯誤しつつ新事業を育てる「ビジネスのR&D」を仕組み化している。個人にリスクを負わせず、仕組みとして新事業創造を推進するのだ。「ビジネスのR&D」を仕組み化すれば、画期的な新事業の開発パイプラインを充実させることができる。製薬会社が研究開発に資金や人員を投資して画期的な新薬の開発パイプラインを強化するのと似ている。

 では、欧州企業はどのように「ビジネスのR&D」を仕組みとして整備しているのか。今回のコラムでは、次世代の柱となる事業を創造するために、欧州の先進企業が実施している具体的な施策について、主に新規事業創出を担当する現場の観点から解説したい。

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標準プロセスで新事業の創造活動を正しく評価する

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この記事の著者

渡邊 哲(ワタナベ サトル)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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