事業の「コア価値」を高めるプロセスに存在する対話の設計
杉光:事業部と一緒に考えるプロセスは非常に重要ですが、なかなか理想通りに進まず、一方通行になってしまっている企業も少なくないようです。旭化成ではどのようなプロセスでIPランドスケープを管理されているのでしょうか。
中村:旭化成のIPランドスケープは対話型で、事業部と高頻度で議論しながら一緒にレポートを作ってその精度を上げていきます。最初は課題設定がはっきりしなくても、対話を通してリバイスされて強化されていくなど、対話がプロセスの中に自然と促進されるように設計をしています。IPランドスケープは一方通行でやるべきではありません。知財部も事業部も議論の中で相互に育成されながらレポートの精度を上げていき、最後にトップに報告を持っていくフローが理想だと思っています。