「おいしさデザイン」の議論で見えてきた会社のカラー
後藤:企業理念体系の検討過程で意見が割れたことはあったのでしょうか。
竹田:以前のミッションにあった「おいしさデザイン」という言葉を残すかどうかで意見が割れました。議論になったのは、「おいしさデザイン」が何を意味しているのかがしっかり定義されておらず曖昧だったためです。「おいしさ」は1つの価値ではありますが、食にまつわる価値は他にも「健康」「環境への低負荷」など様々なものがあります。そのため「おいしさデザイン」を使うと「おいしさ」に寄りすぎるのではないかという意見が出ました。しかし、「おいしさ」を生み出すためには、お客様の考える様々な価値を、顧客接点を通して理解した上で、マーケティング活動を通じ商品開発し、生産し、お客様に届けることが必要です。その全体があって、最終的に「おいしさ」という言葉で表現されるものをお客様に届けられる、それを体現することが「おいしさデザイン」であると定義し、新企業理念体系でも使うことにしました。