IHIは,インドネシア国立バンドン工科大学と共同で,環境負荷をもたらす農業残さ(廃棄物)をバイオマス燃料として有効活用し,CO2排出量の削減を目指す研究を開始した。
IHIとバンドン工科大学は,現在廃棄されている農業残さをバイオマス燃料として有効活用することで,カーボンニュートラルの実現のみならず,農業残さ起因による環境負荷の低減,発電所への安定供給,農業残さの有価物化による農家の収入源拡大を目指し,インドネシアの総発電量の約70%を占めるジャワ島を対象に,農業残さ分布に対する既存の火力発電所の立地調査や輸送方法の検証などを行う。また,IHIが日本国内でバイオマス混焼・専焼の発電所を手掛けてきた経験を活かし,混焼実験やバイオマスの高混焼率化・専焼化に向けた技術的検討も行い,農業残さの調達から燃料利用までのバリューチェーン全体にわたって,技術・事業の両面から検討を進めていくという。
IHIは,本研究のテーマに,農業残さの有効活用という点を取り入れることで,インドネシアにおける発電プロセスのカーボンニュートラル化のみならず,農業分野での環境負荷の低減につなげるとともに,同国の石炭火力発電所でのバイオマス高混焼率化・専焼化に寄与し,同国のカーボンニュートラル達成および持続可能な社会への移行に貢献していくとしている。