ストックマークは2026年8月19日、製造業に従事する実務担当者384名を対象に行った「生成AIの業務活用実態調査」の結果を発表した。調査は2026年7月17日~7月28日にオンラインで実施された。
本調査では、生成AIのツールがデスクワーク中心に普及している一方、製品設計や現場作業といった製造業特有のコア業務への定着が不十分であることが明らかになった。実際、調査回答者の83%が文書・レポート作成補助、53%が市場調査・競合分析、45%が社内データの検索・集約でAIを活用しており、期待値を上回り浸透している。これに対し、製品設計・開発支援(28%)、現場作業の効率化・自動化(22%)の活用は2割台にとどまり、本格的な現場活用には至っていない。
導入ツールに関しては「Microsoft Copilot」が78%と最多で、標準的な生成AI基盤として普及している。しかし、73%の実務者が「生成AIに頼みたいのに頼めていない業務がある」と感じており、52%が会社導入のAIと自身が理想とする使い方の間にギャップを抱えている。特に「社内システムや他ツールと連携できない」(44%)、「図面など非テキスト情報を扱えない」(34%)、「自社業務に特化した回答ができない」(30%)など、製造業特有の課題が指摘されている。
また、現場では経営側の推進姿勢と実務者の間に温度差がみられる。「導入はしてくれているが活用方法のサポートが不十分」との不満が53%と過半数に上った。「経営観点のみに偏り現場の実態が反映されていない」(26%)、「現場が自発的に使っているだけ」(23%)との回答も多く、単なるツール配布にとどまっている現状が示された。
今後の本格的活用に必要な要素として、「自社独自データやナレッジの整備」(56%)や「AI活用を前提とした業務の再設計」(53%)が挙げられた。「暗黙知をAI活用可能な形へ構造化する」(33%)もニーズが高い。
なお、生成AI活用の成果として、64%が生産性向上、60%が成果物品質の改善を実感している。さらに約4人に1人(23%)がワークライフバランスの向上も感じており、業務効率化の恩恵が現場に波及している。
調査結果から、現場業務への本格的なAI適用には、業務フローの抜本的見直しや、非構造データを含む独自データセットの整備が不可欠であることが示された。経営層と現場の協働による推進体制、業務プロセスの再設計が今後の成否を分ける鍵となりそうだ。
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